2006年7月21日(金)「しんぶん赤旗」

“靖国”派の思惑破綻

A級戦犯合祀に昭和天皇「不快感」

志位委員長が談話


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 日本共産党の志位和夫委員長は二十日、A級戦犯靖国合祀(ごうし)にたいする昭和天皇の「不快感」発言について、次の談話を発表しました。

 一、わが党は、「しんぶん赤旗」に掲載した論文「首相参拝と“靖国”派の要求」(二〇〇五年六月十一日付)などで、“靖国史観”を信奉する勢力の目標が、まず首相に靖国参拝をさせ、それを政府の閣僚の全員と三権の長を勢ぞろいさせる行事に発展させ、さらには天皇の参拝を実現することで、「日本の戦争は正しかった」とする自分たちの戦争観を、公認の日本の国論にすることにあることを、明らかにしてきた。

 実際、靖国神社の後援で「英霊にこたえる会」が製作し、遊就館で毎日上映されていたドキュメント映画「君にめぐりあいたい」は、その要求を「英霊」の名によって公然ともちだしていた。

 一、昭和天皇が、一九八八年、靖国神社のA級戦犯合祀に「不快感」を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と語っていた史料が明らかになったことは、“靖国”派のこのシナリオと目標が、破綻(はたん)したことを意味する。

 それはまた、“靖国”派の要求に応じて、参拝をくりかえしてきた小泉首相の主張に、道理がないことを、いよいよ浮き彫りにするものとなった。

 わが党は、首相が、みずからの間違った立場をすみやかにただし、靖国参拝中止の決断をすることを、あらためて強くもとめるものである。

●首相参拝と“靖国”派の要求