2006年4月16日(日)「しんぶん赤旗」

衆院千葉7区補選

格差社会・平和・野党のあり方

各党の違い 明らかに

3党首“激突” 志位委員長が訴え


 衆院千葉7区補欠選挙(二十三日投票)で、日本共産党の志位和夫委員長は十五日、告示日に続いて二度目の応援に入り、徳増きよ子さんとともに訴えました。小泉純一郎首相(自民党総裁)、民主党の小沢一郎代表も現地入りし、各党の姿勢の違いが浮き彫りになりました。

 小泉「改革」の名での弱肉強食の政治をすすめるのか、格差社会と貧困をただす政治にきりかえるのか――。流山市内で訴えた志位氏は、ここに争点があると力説しました。問題の根底にある労働のルールの破壊、社会保障の破壊、庶民増税と大企業減税という小泉政治の害悪を告発。格差社会の根源には大企業中心政治の異常なゆがみがあるとのべ、小泉「改革」にストップをかける日本共産党に託してほしいと訴えました。

 一方、松戸市内で街頭演説した小泉首相は、格差問題にはふれず、「規制改革の効果が出てきて、だんだん景気が回復している」とくりかえすだけ。野田市内で訴えた小沢氏は、社会保障や雇用面で「セーフティーネットをつくらなければならない」とのべたものの、貧困と格差を広げた根底にある規制緩和路線については、「規制は撤廃しなければならない」とおしすすめる立場を表明しました。

 アメリカいいなりの基地強化おしつけ、憲法九条を壊す動きを許すのか、これをくいとめ平和の日本をめざすのか――志位氏は、国政の熱い大きな焦点となっている平和の問題を提起しました。

 全国で反対の声がうずまいている「米軍再編」の名による基地強化と、これと連動した「戦争をする国づくり」をめざす憲法改悪の流れをくいとめようと強調。自民、公明両党がすすめる教育基本法改悪の動きも「戦争をする国に役立つ人間づくりへと教育のあり方を大変質させるものだ」と批判し、アメリカいいなり政治の異常をただそうと呼びかけました。

 小泉、小沢両氏は、日本の進路を左右する憲法改定や平和の問題について、なんら語りませんでした。

 志位氏は、「補選では野党のあり方も問われています」とのべ、「小沢代表は『対立軸路線』をとるというが、肝心の『対立』の中身が見えてこない」と指摘。「自民党政治の古い枠組みの中で政権の担い手だけをかえても、国民の期待にこたえられる政治は生まれない」とのべ、古い政治の枠組みを大もとから変える「たしかな野党」――日本共産党の勝利を訴えました。

 小泉首相は「民主党執行部は古い自民党の仲間で野党という気がしない」と発言。小沢氏は「自民党には構造改革はできない。政権交代が構造改革、改革の第一歩だ」と「政権交代」をもっぱら強調しました。