2005年12月18日(日)「しんぶん赤旗」

原子力空母いらない

寒風のなか横須賀に2500人


 「原子力空母はくるな!」。神奈川県横須賀市の米軍横須賀基地正門前にシュプレヒコールが響きました。十七日、同基地に向かい合うヴェルニー公園で開かれた「12・17原子力空母の横須賀への配備を阻止する緊急集会」には、地元・横須賀はじめ県内、首都圏から二千五百人が参加。冷たい浜風が吹き付けるなか「大同団結の力で、原子力空母配備やめよの声と運動を全県、全国に広げよう」とした集会アピールを採択しました。

■志位委員長があいさつ

 主催者を代表して菊谷節夫神奈川労連議長は「危険きわまりない原子力空母を配備しようという計画に、横須賀市長や市議会、県知事、三浦半島の全自治体首長が反対を表明している。私たちも力を大きく強くし、命がけで阻止しよう」とあいさつしました。

 情勢報告した日本共産党の志位和夫委員長は、原子力空母母港化で(1)原子力事故と放射能汚染の危険(2)地球規模での米軍の“殴り込み”の根拠地として強化される危険(3)空母母港として固定化・永久化される危険―という「三つの危険」を指摘。「沖縄をはじめ全国のたたかいと連帯を強め、この無謀な計画を中止させるまで頑張ろう」と呼びかけました。

 非核の政府を求める東京の会の増田善信氏、新日本婦人の会千葉県本部の葛原朋子副会長、原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会の呉東正彦弁護士が連帯のあいさつ。呉東氏は「原子力空母の事故で、十万人の死者、十兆円の損害という試算もある」と危険性を指摘しました。

 各界からも発言が続き、キャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部の移転に反対する座間・相模原・周辺市民連絡会の鴨居洋子共同代表は「座間、相模原市でも市長を先頭に運動が広がっている」と紹介。二十歳の江崎歩さんが「若者の未来のためにも原子力空母配備の流れを止めたい」と決意を訴えると、「そうだ!」の声がとびました。

 集会終了後、参加者は基地正門を通り、繁華街へデモ行進しました。

 二人の子どもを連れて沿道からデモを見ていた市内の女性(39)は「事故でもあったら、子どもの健康が心配です。原子力空母が来て、市民には何一ついいことはありません」と話していました。