2005年11月27日(日)「しんぶん赤旗」

日本の情勢の大局的な特徴 未来への展望をどうつかむか

民青同盟大会2日目

志位委員長が講演


 日本共産党の志位和夫委員長は二十六日、都内で開催中の日本民主青年同盟第三十二回全国大会(二日目)で「いまの日本の情勢の大局的な特徴、未来への展望をどうつかむか」をテーマに講演しました。志位氏は自民党政治の異常な特質を浮き彫りにし、「ともに力をあわせて新しい時代を開こう」とよびかけ、参加者に「小泉政治の異常さがよく分かった。だからこそ変えていける展望が見えてきました」(大阪、女性)と大きな感動と確信が広がりました。

■自民党政治の3つの異常

 志位氏は、政治の表面だけをみると逆流や複雑な動きもあるが、「自民党政治では日本はたちゆかないことが、こんなにはっきりみえている時はない」と強調。世界の流れに照らして、自民党政治を(1)過去の侵略戦争を正当化する(2)アメリカいいなり(3)極端な大企業中心主義――の三つの異常な特質から明らかにし、豊富なデータや国際比較、日本共産党第二十四回大会決議案も紹介しながら、縦横に語りました。

 このなかで、大企業中心主義の政治がもたらす矛盾が集約的にあらわれているのが少子化問題だと指摘。フランスでは、少子化を克服するために、きめ細かい家族手当、子どもが三歳になるまでの育児休業、三十五時間労働制など、「国をあげた本腰のとりくみ」をしていることを指摘すると、会場が驚きの声で包まれました。

 大企業中心主義を根本から改革することが強く求められていると強調した志位氏は、小泉政権の「新自由主義」の経済路線が、若者たちに深刻な被害を強いながら、これを我慢せよという誤った考え方を広めていると指摘。「『新自由主義』が“期待する人間像”は、『自己責任』で行動する人間であり、それは『失敗』は自分の責任だと思い込ませる攻撃、国民をばらばらにする攻撃です」と解明しました。

 そのうえで志位氏は「悪いのは若者ではない。政治の責任」というスローガンを掲げた民青同盟の運動のすばらしさをあげ、「政治悪にメスを入れる社会的連帯で攻撃をはねかえそう」と激励、参加者はうなずきながら拍手でこたえました。

■新しい政治を担う勢力強く

 志位氏は、「自民党政治は日本を統治する能力を失いつつある。いまみなさんは新しい政治を生み出す歴史的激動の時代に生きている」と強調。「どんなに支配体制がゆきづまっても、社会の夜明けは自然にはこない。新しい政治をになう勢力が強く大きくなってこそ、歴史は前にすすむ。ともに力をあわせて、新しい時代を開こう」と呼びかけ、大きな拍手につつまれました。

 最後に志位氏は、民青同盟に集う青年たちへ(1)若者の要求実現のよりどころ、若者が自らたちあがるよりどころに(2)温かい人間的連帯のよりどころに(3)知的輝きと魅力にあふれた民青を――と期待をのべました。さらに、科学的社会主義の創始者の一人、マルクスが欧米で人気が上昇していることも紹介し、日本共産党の新しい綱領、その土台にある科学的社会主義の学習で日本の民主的な改革、未来社会への展望をつかみとってほしいとのべて講演を結びました。

■“励まされた” 参加者感想

 参加者たちは熱心にメモをとり、「私たちの世代が新しい政治の担い手となる時代は必ずくるし、つくることができるという言葉にとても励まされた」(沖縄、男性)、「社会的連帯で国民が主人公、青年が大切にされる社会をつくる展望が開けた」(愛媛、男性)などの感想が寄せられました。