2005年9月3日付「しんぶん赤旗」に掲載

紙上紹介――日本共産党の政見放送

トーク&トーク2005

志位委員長といっしょに考えてみませんか?


 「郵政民営化がなぜいけないのかよくわかった」――日本共産党の政見放送が反響をよんでいます。「トーク&トーク2005 志位委員長といっしょに考えてみませんか?」(小選挙区用)の大要を紙上で紹介します。

 志位 日本共産党の志位和夫です。今度の選挙は、国民のみなさんが「まともな政治をつくりたい」という願いを一票に託す絶好の機会です。この選挙で問われるものは何か。ごいっしょに考えたいと思います。

郵政民営化

反対の一番の理由は?

 女性 共産党は郵政民営化に真っ向反対ですね。一番の理由は何ですか。

 志位 国民向けのサービスが切り捨てられるからです。郵便貯金・簡易保険が民営化されますと民間の大銀行がやっているように、もうけにならない地域から撤退して、身近な金融窓口がなくなってしまいます。高い手数料を払わなければ口座が置けなくなってしまいます。こんなことは国民の誰も望んでいないのではないでしょうか。

公務員が減らせる?

 男性 小泉首相は「民営化で公務員を減らせる」といっていますが。

 志位 郵政事業というのは、昔も今も独立採算で、職員の給与に国民の税金は一円も使っていないんです。民営化したらあたかも税金が節約できるかのようにいう小泉さんの言い分は、まったく根拠がありません。

首相がこだわるのは?

 女性 どうしてあんなに小泉さんはこだわるんでしょうか。

 志位 日本とアメリカの大銀行がバックについているからなんです。大銀行からみますと、自分たちよりよいサービスをやっている郵貯や簡保は商売のじゃまで仕方がない。そこでこれをつぶして、庶民の虎の子の生活資金を新しいもうけ口にしていこうと。喜ぶのは大銀行と保険会社だけ、国民にとっては「百害あって一利なし」。郵政民営化にストップの審判をくだすことが大切だと思います。

小泉「改革」

「改革」でよくなる?

 男性 僕はフリーターで将来がとても不安です。小泉さんの「改革」で本当によくなるのでしょうか。

 志位 この四年間、小泉「改革」の名でやられてきたことを一つひとつ思いおこしていただきたいんです。リストラ応援の政治で不安定な雇用が増え続け、若いみなさんの二人に一人はパート、派遣などで働いています。人間をモノ扱いにし使い捨てにするひどいやり方がまかりとおっていますでしょう。

 社会保障は医療費の値上げ、年金の大改悪、介護保険の改悪など、命を削る政治が連続しました。小泉さんは「今痛みに耐えれば明日はよくなる」といったけれども、どんなに痛みに耐えてもよいことは何もなかったというのが、小泉「改革」の四年間だったのではないでしょうか。

生活はギリギリ

 女性 確かに生活はいつもぎりぎりで、本当に苦しいんです。

 志位 そうですね。この四年間、家計の所得は一世帯あたりで四十万円近く、総額で十八兆円も減っています。ところが大企業はじめ企業のもうけは十二兆円も大きく増えているんです。庶民のみなさんから吸いあげて財界をもうけさせる、ここに小泉「改革」の正体があります。

 私たちは「改革」の名での国民いじめの政治に正面から対決して頑張りぬきたいと思います。

庶民大増税

サラリーマン増税が心配

 男性 サラリーマン増税が話題になっていて、とても心配なんですが。

 志位 これは新しい国会ですぐに問われてくる大問題です。サラリーマン増税―所得税増税が消費税増税とセットで進められようとしています。これがやられますと年収五百万円の四人家族で五十五万円もの増税。手取り給料の二カ月分がなくなってしまいます。

 これは自民党と公明党が決めた方針を政府税制調査会が具体化したものですが、民主党も庶民増税を進めるということでは方向が同じです。私たちは庶民大増税ストップを公約に掲げています。国民のみなさんと共同してこれを食い止めるために力をつくしたいと決意しています。

どうして負担ばかり?

 女性 どうして負担がふえる話ばかり続くんでしょうか。

 志位 この大増税計画の青写真を描いたのは実は財界なんですよ。二年前に日本経団連は、「消費税を上げろ、所得税を上げろ、そして法人税は下げろ」という大号令をかけました。もともと大企業の払う法人税というのは、減税につぐ減税などで二十兆円から十兆円まで大きく減っています。その穴埋めに庶民の大増税―これはあまりに身勝手な要求ではないでしょうか。

 税金の改革というのならば、ムダづかいにメスを入れることとともに、空前の大もうけをあげている財界・大企業に、もうけ相応の負担をさせるべきです。日本共産党は財界からビタ一文献金をもらっていない党として、そのことを堂々と主張しています。

憲法9条を守る

 男性 憲法九条を変える動きが起こっていますが、私は戦争はもう二度とごめんです。

 志位 本当にそうですね。自民党の憲法改定案は、憲法九条を全面的に書き換えて「自衛軍を持ち、海外で活動する」と明記しています。民主党も国連決議があれば海外での武力行使をするというのが立場です。アメリカとともに「海外で戦争をする国」をつくる―これが憲法改定のねらいです。

 いま憲法九条を守ろうという草の根からの運動が広がっています。憲法九条を守るために立場の違いを超えて力をあわせようじゃありませんか。

たしかな野党

 女性 共産党は、「たしかな野党が必要です」をキャッチフレーズにしてますよね。

 志位 はい、お話ししてきたように、いま二大政党といわれる自民・民主が、庶民大増税でも憲法改定でも同じレールの上で推進を競いあう状況があります。そういうもとでいま日本の政治には、自民党政治ときっぱり対決する、どんな問題でも国民の立場でがんばる「たしかな野党」が必要です。その役割をしっかり担えるのが日本共産党です。

 もちろん私たちはいつまでも野党のままでいいという立場ではありません。自民党政治のゆがみをおおもとからただす改革を実行する民主的な連合政府を、二十一世紀の早い時期につくる。これは私たちの大きな目標です。その情勢が熟するまでは野党としての責任をしっかり果たしたい。その決意を、このキャッチフレーズに込めました。

 みなさん、今度の選挙では「たしかな野党」日本共産党を大きく伸ばしてください。この党を伸ばしてこそ、日本の政治に新しい展望がひらけます。みなさんの大きなご支持をよろしくお願いいたします。