2005年9月4日(日)「しんぶん赤旗」

ルーツは首相と財界の約束

サラリーマン大増税 志位委員長が批判


 日本共産党の志位和夫委員長は三日、遊説先の神戸市内で記者会見し、控除見直しによるサラリーマン大増税について、「ルーツは二〇〇二年一月の小泉純一郎首相と今井敬経団連会長(当時)との会談だ。席上、小泉首相は諸控除の全廃論までのべている。この財界への約束からサラリーマン大増税が出ている」と明らかにしました。

 志位氏は、小泉首相が民放テレビでの党首討論で「控除見直しも当然やります」とのべたことを「増税宣言として重大だ」と批判。「この首相の立場はどこからくるのか」とのべ、二〇〇二年一月二十四日、今井経団連会長と小泉首相が会談し、首相が「今の所得税は控除が多くて複雑すぎる。すっきりさせて抜本的に見直したい」とのべていたことを明かしました。

 この首相の主張について志位氏は、配偶者控除、扶養控除だけでなく、給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除など、「控除」を全廃することを視野に入れた議論だと指摘。「小泉首相の控除全廃論は、いいかえれば課税最低限をゼロにするというもので、所得の低い人も含め、すべての人から税をとりたてるものだ。生活費に税金をかけないというのは憲法の生存権が保障するところだが、『控除』の廃止はここにも課税するものであり、絶対に許されない」と批判しました。

 その上で、「今度のサラリーマン大増税は、諸控除の全廃まで視野に入れた根深いものであり、非常に重大な増税路線だ。すでに、小泉内閣のもとで、配偶者特別控除、老年者控除、公的年金控除が廃止・縮小されてきた。共産党は庶民大増税に反対して、がんばりぬきたい」とのべました。

国民の痛みに“非情”な小泉政治は許さない

志位委員長

 「“刺客”騒動で首相は『政治は非情』と言っているが、一番問題なのは、国民に耐えがたい“痛み”をおしつけながら、それを自覚していない、この非情さだ」

 日本共産党の志位和夫委員長は三日、神戸市内でおこなった記者会見で、国民への“痛み”に無感覚な小泉純一郎首相の言動を痛烈に批判しました。

 志位氏は、自身も参加したこの間の党首討論で、首相が“不良債権が減った”“失業率が下がった”と「改革」を自賛していることにふれ、「不良債権処理」で中小企業の経営者が年間四千人をこえて自殺に追いやられていると指摘。雇用問題でも、不安定雇用が激増し、「一番の被害者である若者の間では、これまでにない貧困化がすすんでいる状況がある」と指摘して、「それを自慢するとは…。この小泉政治をかえないと、日本の前途は開けない」とのべました。