2005年7月28日(木)「しんぶん赤旗」

CS放送「各党はいま」

志位委員長が語る

新しい政治が いま必要


 日本共産党の志位和夫委員長は、二十七日放映のCS朝日ニュースター「各党はいま」に出演し、郵政民営化法案の問題点や解散・総選挙、米軍再編問題などについて、朝日新聞の星浩編集委員の質問に答えました。

■郵政問題点はサービス後退

 ――郵政法案の問題点はどこにあるか。

 志位 最大の問題は国民サービスの後退です。民営化されれば“民間並み”に支店の撤退や高額の手数料などが進む。郵貯・簡保の三百四十兆円の資金は外資などに食い物にされる。法案をつくる過程では米国側と十八回も会合し、その要求を組み入れました。内外の大手金融機関のための民営化であり、国民には何一ついいことがないことがはっきりしました。

 ――首相は「官から民へ」といっているが。

 志位 民間にできない公共的サービスを担っているのが郵政事業です。「民間にできることは民間に」というのは、最初のフレーズから間違っています。

 ――衆院では自民党からも大量造反が出たが。

 志位 法案の道理のなさの反映ですが、根底に自民党政治の深いゆきづまりがあります。小泉さんは「自民党をぶっこわす」といって登場しましたが、実際にこわしたのは外交であり、国民のくらしでした。そしてとうとう自民党をこわしつつある。党としてのまとまりもこわし、派閥も従来の支持基盤もがたがたです。自民党政治全体が末期症状におちいっています。

■解散になれば堂々と受ける

 ――参院で否決なら衆院を解散という議論について共産党の立場は。

 志位 誰が考えても道理がなく、やり方自体が民主主義をこわすものだという非難はまぬがれません。ただ、解散になれば堂々と受けて立ち、小泉政治への全面的審判、自民党政治の根本的転換をおおいに訴え、前進めざしてがんばります。

 ――小泉政権を問う選挙になるか。

 志位 それもありますが、外交はアメリカまかせ、内政は財界への忠誠という「自民党型政治」そのものを問う選挙になるでしょう。選挙になった場合は、自民党が政権を維持しても、民主党が仮に政権についても、日本共産党は野党としての仕事をしっかりやるということをおおいに訴えていきたい。いまの日本で野党とよべる政党、日本共産党の役割は非常に大きい。民主党は自分で「野党とよばないで」といい、自民党も民主党も、改憲と増税で同じレールを走っています。

 ――都議選で十三議席を得るなど最近の選挙ではかなり健闘しているが、「唯一の野党」というスタンスへの反響は。

 志位 この間の二回の国政選挙では「二大政党づくり」の流れのなかでかなり押し込まれた。最近の地方選挙で、全体として押し戻していることは重要です。都議選で二人区で二つの勝利を得た。いわゆる「二大政党」論では二人区では共産党は勝てないことになりますが、文京区では民主も抑えて一位で入った。「オール与党」対共産党の図式がはっきりし、有権者に野党としての共産党の値打ちへの期待感を広げることができれば前進できる。手ごたえが変わってきた感じがします。

■米軍基地再編局面に変化も

 ――米軍再編はいまどうなっているか。

 志位 米軍再編とは結局、世界的な規模で米軍が先制攻撃型の戦争に自由勝手に出動できる態勢をつくることであり、日本にとっては基地体制の強化の押しつけとなっています。沖縄では民家からわずか三百メートルのところで都市型訓練が開始された。これに対し島ぐるみの闘争が起こっており、局面が変わりつつあることは重要です。

 ――郵政の陰でいろいろな問題がなおざりになっている感じだが。

 志位 国民は、生活がこんなに苦しく、外交でもここまでゆきづまっているのに、郵政だけに熱中して国民のための仕事をまともにやらない、こんな政治でいいのかという気持ちでしょうね。新しい政治がいま強く求められています。