2005年6月16日付「しんぶん赤旗」に掲載

福祉切り捨て、ムダ遣い
二つの病気治す市政に

志位委員長の演説から(大要)

千葉、船橋市長選


 日本共産党の志位和夫委員長は十四日、千葉市と船橋市の両市長選挙(十九日投票)で、ゆうき房江千葉市長候補(61)と仁木利則船橋市長候補(53)への支持を呼びかけました。志位氏は、訴えのなかで両市政の問題点と選挙戦の争点についてわかりやすく話し、聴衆から「現市政のひどさがよく分かった」「支持を広げるうえで力になる」などの感想が寄せられました。志位氏の市政にかかわる訴えを紹介します。


千葉駅前でゆうき候補と

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訴える志位和夫委員長=14日

 千葉駅前で、ゆうき候補とともにマイクを握った志位氏は「『オール与党』の千葉市政をむしばむ二つの病気を治せるのは、ゆうきさんだけです」と訴えました。

 一つ目の病気は「福祉切り捨て病」です。

 志位氏は、市民の納める税金は十三政令市中五位なのに、市民一人あたりの福祉予算は十一位で最下位クラスだと指摘。

 その結果、国民健康保険料の滞納世帯の62%、二万三千世帯が国保証を取り上げられ、取り上げ率の高さは十三政令市中二位。ところが、国保料を引き下げるための一般会計からの繰入金は十一位だと紹介すると、聴衆から「冷たい市政だ」の声が飛びました。

 さらに、難病疾患見舞金と小児慢性疾患医療費助成の切り捨てで、それぞれ九千人中五千五百人、九千人中四千六百人の手当が打ち切られたことを厳しく批判。「まさに“福祉の心”を削るやり方です。国が福祉を削ったら市が守るというのが自治体のあり方ではないでしょうか」と訴えると、聴衆から大きな拍手がわきおこりました。

 志位氏が指摘した病気の二つ目は「ムダ遣い巨大開発病」。大型開発の四事業の予算が、鶴岡啓一市政の四年間で二・六倍、五百二十一億円にも大膨張したと告発。なかでも蘇我臨海開発は、全国でも突出した大企業奉仕型開発だと指摘しました。

 旧川崎製鉄の不用になった土地に一千億円もの巨額の税金を投入して再開発をし、買い手や借り手がつくようにしてやるというサービスぶりを紹介した志位氏は、「こんな逆立ちした市政を、ゆうきさんでおおもとから転換しようではありませんか」と呼びかけました。

船橋市長選仁木候補と

 船橋市長選の争点について、志位氏は「福祉と暮らしを台無しにする『財政健全化プラン』を許すかどうかが問われています」と指摘しました。

 「プラン」は、現職の藤代孝七候補(62)が、二〇〇三年十月に策定。六十八歳からの医療費助成制度の対象を非課税世帯に切りつめ、制度利用者の65%を締め出したほか、学校給食の民間委託化、がん検診や粗大ごみの有料化を強行しました。

 「プランの冷たさと道理のなさを示したもの」と志位氏が批判したのが、母子父子家庭児童養育手当の削減と、介護保険利用料の助成制度の削減。母子父子家庭児童養育手当の支給対象を「死別」だけに制限したことに対し、「『死別』と『離婚』『未婚』を差別する理由はどこにもない」と厳しく指摘しました。

 「プラン」をやめさせ、削減された制度を元に戻すことは、「税金の使い道を変えれば可能です」と志位氏。

 藤代市政が進めたJR船橋駅南口再開発ビル「フェイス」は、ビル床が思うような値段で売れず、三十年間で百三十七億円もの赤字を市民の税金で穴埋めする計画になっていることを批判。「銀行や生命保険会社、ゼネコンなど、フェイスの大口権利者になっている大企業に応分の負担をしてもらうのが当然の要求です。こうした税金の無駄遣いをただして暮らし・福祉優先の船橋市政を実現できるのは、仁木候補しかいません」と訴えました。