2005年6月5日(日)「しんぶん赤旗」

日本共産党躍進のつどいでの

志位委員長の訴え

(詳報)


 日本共産党の志位和夫委員長は四日の「都議選での勝利をめざす日本共産党躍進のつどい」で、都議選の争点と日本共産党の役割を縦横に語りました。


 自民党と民主党が「二大政党の選択」を都議選に持ちこもうとしているもとで、志位氏はこの選挙では政党を選ぶ「三つの尺度」――(1)都民の福祉と暮らしを守る党はどの党か(2)税金の無駄遣いをやめさせる力を持った党はどの党か(3)平和と民主主義が輝く東京をつくる党はどの党か―があると指摘。これにてらせば、自民・公明と民主は「対決」どころか国政のあらゆる基本問題で少しも違いがなく、都政ではそろって都民いじめの政治の推進役になっているとして、「『オール与党』か、日本共産党か」に選挙戦の対決の軸があると強調しました。

 福祉と暮らしの問題について志位氏は、小泉内閣の大増税・負担増路線、社会保障切り捨てという二つの“都民いじめの大波”が押し寄せていることを告発。「政権準備政党」を名乗る民主党が、消費税増税や介護保険改悪を与党と一緒に推進していることを批判しました。

 都政では、石原都政になってから福祉予算が一割も削りこまれ、シルバーパスの全面有料化、老人医療費助成の段階的切り捨て、寝たきりのお年寄りへの介護手当の廃止などが進んでいます。志位氏は、「全国十三の政令指定都市と比較してみたが、これら三つの制度をすべて廃止・全面有料化したのは東京都だけ」と指摘。「『福祉の心』を削って恥じない『オール与党』に審判を下そう」と訴えました。

 日本共産党が暮らしを守る緊急要求として提案した五項目((1)三十人学級の実現(2)小・中学生の医療費無料化(3)介護手当を月一万円から復活(4)所得に応じ三千円から五千円のシルバーパスを発行(5)老人医療費助成制度を守り充実)について、“財源”、“実績”、“全国の流れ”の「三つの裏付け」があることを詳述。「日本共産党をのばせば実現に大きな道が開ける」と力説しました。

 税金の無駄遣いについて、破たんした臨海開発をめぐる「オール与党」と日本共産党との攻防を詳しく紹介。「政党の根本的な政治姿勢が問われる無駄遣いの大争点」として、一人平均百四十八万円も使った豪華海外視察問題をあげ、自民・公明・民主が共同記者会見で「豪華ではない」と「反論」するなど都民感覚と無縁な態度をとり、反省がまったく見られないことを批判しました。

 平和と民主主義の問題については、二日の衆院予算委員会で志位氏が行った首相の靖国参拝問題についての質問を報告し、「侵略戦争を正当化する靖国流の戦争観を押しつける動きを大本から断ち切るために力を尽くそう」と呼びかけ。侵略戦争に反省のない勢力が憲法改悪の中心に座っていることの危険性にも言及しました。

 そのうえで志位氏は、石原知事自身が毎年のように靖国参拝を重ね、アジア諸国からの批判を「ヒステリー」「内政干渉」と毒づいていることや、それを「オール与党」が一言も批判せず、学校に「日の丸・君が代」を押しつけている事実を指摘。「真実と理性にたった論陣を堂々と張ってきた日本共産党をのばしてほしい」と力をこめて訴えました。

 最後に志位氏は、「争点は明りょう。東京の全有権者を対象に宣伝、対話、支持拡大を広げ、『しんぶん赤旗』の読者を増やして、私たちの訴えを伝えきろう」と呼びかけ。「伝えきれば都民は必ず良識と理性の審判を下してくれます。“東京燃ゆ”の大奮闘で勝利をつかもう」との訴えに、聴衆は盛大な拍手でこたえました。