2005年4月22日(金)「しんぶん赤旗」

CS放送「各党はいま」

志位委員長が答える

日中問題

―理尽くし話し合えば解決できる


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質問にこたえる志位和夫委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は、二十一日放送のCS放送・朝日ニュースター「各党はいま」に出演。衆参の憲法調査会の報告書、日中間の関係悪化をどうみるかについて、朝日新聞の本田優編集委員のインタビューに答えました。



改憲の方向づけ

 ――衆参の憲法調査会で、最終報告書が出たが。

 志位 衆院からいうと、憲法九条改定の方向づけを書き込んだ重大な内容となりました。とりわけ、「自衛権及び自衛隊について何らかの憲法上の措置をとることを否定しない意見が多く述べられた」とし、九条二項を改変する方向づけをあたえたことは重大です。

 参院は、憲法改定にとりかかることを前提にしての論点整理となっています。九条についても、改憲の足がかりをつくろうとする内容となっています。

 改憲への方向づけをあたえることは、憲法の調査に限定された調査会の任務を逸脱するもので、許しがたい。わが党は衆参両院できっぱり反対の態度をとりました。

 ――今後の憲法改正の動きをどうみるか。

 志位 改憲派は国会では多数でも、国民世論との間に大きなかい離があります。自民・民主・公明が改憲案をつくり、国会として改定案をまとめて発議し、国民投票にかける――相手にとって難しいハードルがいくつもあります。

 どういう展開になっても、国民のなかで、憲法改悪反対のゆるぎない多数派をつくるために、ありとあらゆる知恵と力をつくすことが大切です。

日中関係打開へ

 ――中国における反日デモ、それに対する日中両国政府の対応をどう考えているか。

 志位 もちろん、どんな主張も暴力という形で表現することは絶対に反対です。

 同時に、ここまで両国の関係が悪化した根源にある問題を、冷静にみる必要があります。いろいろな原因がありますが、根源には、日本政府・一部政治家に、過去の侵略戦争、植民地支配を肯定し、美化する動きが起こっているという問題がある。ここをたださないと、根本からの解決はできません。

 ただ、中国のみなさんにも踏まえてほしい問題があります。先日、路甬祥・中国全人代副委員長と会談したさいに、私は、日本側の根本問題の指摘とともに、中国のみなさんへの三つの提起をしました。一つは、過去に日本がおこなった侵略戦争と、現在中国で日本の民間がおこなっている経済活動を区別すること。二つ目は、歴史逆行の動きを見せている日本の一部の政治家と、日本国民全体を区別すること。三つ目は、抗議や批判を暴力で表すのでなく、道理ある冷静な態度を守ることです。

 路副委員長は、私の提起にたいして、「十分理解できるものであり、中国政府も人民もそうするだろう」「在留外国人の安全は責任をもって守る」と答えました。この問題は、理をつくして話し合えば、本来、正しく解決できる問題であることを、痛感しました。

 ――日本政府は、「謝罪と賠償」を求めているが。

 志位 総合的な解決が必要です。在中国大使館・邦人・企業の安全確保の責任は中国側にあります。同時に、根本の問題は、日本の一部で生じている歴史逆行の動きがあります。この根本問題をふくめて、総合的な解決が図られなければなりません。