2005年3月2日付「しんぶん赤旗」南関東版に掲載

”国保証取上げ もっとやれ”

堂本・千葉県政が指示

街頭演説 志位委員長の告発に反響

山田さんで 春呼ぶ政治に


 千葉県で国民健康保険料の滞納を理由に保険証(国保証)を渡さず、資格証明書(いったん窓口で医療費を全額払う)や短期保険証に置き換える国保証取り上げ=Bそれをもっとやれ≠ニ市町村に指示していたのが、堂本県政だった―。日本共産党の志位和夫委員長が街頭演説で明らかにした告発は、聴衆の怒りを呼んでいます。(佐藤研二)

偶然聞いたが…

 志位委員長は二月二十六日、JR津田沼駅前で、県知事選挙(十三日投票)での、山田安太郎知事候補(61)=「明るい民主県政をつくる会」=への支持を訴えました。そのなかで、国の悪政いいなりに県民の暮らしと福祉を切り捨てている堂本県政の実態を批判し、県政転換の必要性を訴えました。そこで問題にしたのが、全国最多といわれる国保証の取り上げです。

 演説が終わった後、「明るい会」事務所に習志野市在住の男性(41)からメールが届きました。

 「今日、偶然演説を聞き、県政の悪い点を知りました。私は去年リストラされ、失業中。収入がないのにもかかわらず、国保料四十八万円の請求がきました。せめて失業者だけは免除してほしいと市に行きましたが、一切聴いてもらえませんでした」―。

 志位氏は、千葉県が国の国保取り上げ政策を最も熱心に実行しているため、国保世帯に占める資格証明書と短期保険証の発行割合が9・6%にのぼり、「保険証の取り上げが全国最悪だ」と指摘しました。

 なぜ、千葉県の取り上げがひどいのか。志位氏は「県の三つの冷酷な姿勢」をあげました。

 第一は、県が率先して市町村に取り上げを「指導」していることです。

 県の行政改革推進室が昨年十月に発表した文書。そこには「平成十二年(二〇〇〇年)から資格証明書交付が義務化されたが、現在まで制度として定着した状況にない」と分析。「市町村指導機関として、制度の適正かつ積極的な運用を指導する」と、国保証取り上げの推進を徹底することを表明していました。

 「やっぱりと思いました」。こう話すのは毎年、国保の改善を求めて県内全自治体のキャラバンに取り組んでいる社会保障推進千葉県協議会の藤田まつ子事務局次長です。藤田さんは「資格証明書を発行しないで頑張っているある自治体の担当者が、県から『なぜ発行しないのか』と指導がきたと話していた」というのです。

自民県政の1/3に

 国保証取り上げが激しい背景には、深刻な不況のもと国保料が高すぎて払えず滞納する世帯の多さがあります。千葉県の滞納世帯は国保世帯の23%(〇三年度)を占めます。

 ところが、堂本県政は、市町村の国保への県独自の補助を、自民党県政時代の三分の一に減らし、一人当たりの補助額四十三円は関東一都六県で最低です。

 さらに、堂本県政は、滞納世帯の実情調査を求めた日本共産党県議団の要求に、「市町村がやること」と拒否しました。

 藤田さんはいいます。「資格証明書押し付けは、県民の命にかかわる大問題です。堂本県政の冷たさを象徴する問題として、広く県民に知らせ、山田さんの勝利で、県民に春を呼ぶ県政を実現させるしかありません」