2005年2月27日付「しんぶん赤旗」南関東版に掲載

千葉知事選

自治体のあり方問う「二つの争点」

山田候補応援で 志位委員長が解明

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山田安太郎知事候補と志位和夫委員長の訴えを聞く人たち=26日、千葉・JR津田沼駅北口

 日本共産党の志位和夫委員長は二十六日、千葉県知事選挙(三月十三日投票)で、「明るい民主県政をつくる会」の山田安太郎候補(61)=日本共産党推薦=を応援するため、JR津田沼駅前(船橋市・習志野市)で街頭演説しました。寒風の吹くなか、約三千五百人が聞き入りました。

 志位氏は、「選挙戦は、古い自民党型県政の継続か、『県民が主人公』の新しい県政の転換かが問われる」と切り出し、民主党や公明党、自民県議の一部が支持する現職の堂本暁子候補に、自民党県連が「対立候補」として元国会議員の候補をかついだ構図は、「自民党が二手にわかれ、二またをかけているだけ」と指摘しました。

 堂本知事が、昨年七月に市・県民税を脱税して逮捕された自民元県議を「たいへん真摯(しんし)に千葉の将来について考えていた政治家」と持ち上げ、その言葉が裁判で同県議の情状酌量を求めるときに利用された事実などを紹介し、「自民党と一心同体の現職知事にも、自民党に公然と支持された元国会議員にも、県政を変える力はない。山田候補こそ県政を大本から改革できる唯一の候補」と強調しました。

 争点として、(1)国の悪い政治から県民の暮らしを守る知事か、国と二人三脚で痛みを押し付ける知事か(2)無駄な大型開発優先か、県民福祉優先か―の二つをあげ、それぞれ具体的なデータを示しながら解明しました。

 堂本県政が国の悪政を「もっとも忠実に実行している」実例として、国民健康保険料滞納者からの保険証取り上げが、全国でも最悪な状況をあげました。(1)県が資格証明書(いったん窓口で医療費を全額支払う)交付を積極的に行うよう市町村を「指導」する方針文書をだしていたこと(2)取り上げ世帯の実情調査を拒否したこと(3)県の市町村への補助をどんどん減らし、高すぎて払えない国保料を助長してきたこと―などを告発し、「あまりにも冷酷な県政だ」と批判しました。

 さらに志位氏は、私学助成や特別養護老人ホーム建設などの補助金を削る一方、東京湾アクアラインの外側にもう一本橋を架ける計画や、八ツ場ダム建設の推進など、公約を破って「無駄な大型開発を温存・拡大」する現知事の姿勢を徹底的に批判。「もともと、自治体の“本業”は大型開発ではありません。福祉と暮らしを守るのが第一の仕事。山田さんの勝利で、ほんとうの地方自治を千葉県でも打ちたてましょう」と呼びかけ、聴衆から大きな拍手がわきおこりました。

 野原薫さん(56)=市川市=は「私も病気で仕事をやめ国保に頼っていますが、高くて払いきれず短期保険証です。このつらさ、苦しさを堂本さんや自民党の人たちは分かっているのでしょうか」と怒り、富岡真記さん(29)=千葉市=は「私学助成を削っている実態を話していましたが、これでは若い人材は育ちません。大型開発を思い切って見直して、静かな生活ができる千葉にしてほしい」と話していました。