2004年7月4日(日)「しんぶん赤旗」

注目のテレビ党首討論/志位さん論戦リード

「違いわかった」――反響続々


 「ものすごくパワフルでかっこ良かった」(群馬県の男性)、「これまで民主党を支持してきたが、今度は共産党。民主党の党首よりも志位さんの発言の方がまともで道理がある」(高齢の男性)――テレビ党首討論で日本共産党の立場を示しながら論戦をリードする志位和夫委員長の発言に、電話やメールで反響が相次いでいます。

多国籍軍参加/首相の道理のなさ追及

 この間の討論で浮き彫りになったことの一つは、イラク多国籍軍への自衛隊参加の道理のなさです。

 6月25日夜のTBS系「ニュース23」では、志位さんと小泉首相の間でこんな激しいやりとりがありました。

 志位 はっきり答えてほしい。政府がこれまで「憲法上許されない」としてきた多国籍軍への参加について、いま、「(多国籍軍の)指揮下に入らない」「米英政府は(それを)了解している」などといっているが、了解を与えた米国側の代表は誰だかご存じなのか。

 小泉 大統領とも話しているし、自明の議論だ。

 志位 だからそのことの保証を与えた米国の高官が誰かを、あなたは知っているのか。

 小泉 大統領は知っている。

 志位 総理がその高官の名前を知っているのかと聞いている。

 小泉 政府間交渉だから、名前を個別に出すものじゃない。

 志位 高官の名前が出せないと「名無しの権兵衛」との「了解」になってしまうのじゃないか。

 政府自身「憲法上できない」と説明してきた多国籍軍への参加に踏み出す重大な方針転換にもかかわらず、まともに答弁できない首相の右往左往ぶりが際立ちました。

年金問題/公明の大赤字論をつく

 「ニュース23」では、年金法案強行の先頭に立った公明党の神崎武法代表の開き直りが目立ちました。

 いわく、年金財政をこのまま放置すると来年度4兆7千億円の赤字が出る=A物価や賃金が変動すれば必然的にパーセントが変わることはあり得る=c。「50%を確保」という政府案のウソがバレて、こんな強弁や言い逃れを並べたのです。

 すかさず、「いまの話はいただけない。新しいごまかしですね」と反論した志位さん。

 「50%」は年金を受け取り始めたときのことだというが、法案審議の当初はそんなことは一言もいっていない、改悪年金法を実施しても3兆8千億円の赤字になる、来年の大赤字というウソでこの改悪を国民にのませるというのは「本当によくないやり方だ」と批判しました。

 志位さんは、「国民負担をいう前に本当の改革、税金の使い方の改革が必要」と強調。そのためには、国と地方で年に公共事業に40兆円使うのに、社会保障には25兆円しか使わない税金の使い方を改めて、予算の主役に社会保障をすえること。税金の集め方でも、16年前に比べて法人税の年税収が28兆円から15兆円に減り、大企業の税と社会保障の負担はヨーロッパの水準の5割から8割程度まで下がっている、ここにメスを入れ、「大企業に応分の負担を求めるべきだ」と、政治の土台からの転換を主張しました。

景気/中小企業と家計支えよ

 NHK「日曜討論」(6月27日)では、自民党と民主党が「改革の芽は出てきた」(小泉首相)、「不良債権処理は遅すぎた。もっと迅速にすべきだ」(岡田克也民主党代表)などと、中小企業をつぶす「構造改革」のスピードを競い合いました。

 志位さんは、小泉政権3年間に中小企業向け融資貸出額が230兆円から180兆円へ50兆円も減っていると指摘。「中小企業と家計を支える政治でないと景気はよくならない」と主張しました。

 さらに、首相が「大手の業績が改善してくれば中小企業にも必ず及んでくる」とのべたのにたいし、志位さんは「逆だ。一部大企業のもうけは中小企業をいじめてもうけをあげている」と、事実を示して反論しました。

9条改憲/集団的侵略の国になる

 NHK討論で小泉首相は「自民党、公明党、民主党も憲法改正に賛成だ」「自衛隊は憲法違反、日米安保も憲法違反だというあいまいな解釈を残すような憲法よりも、よりわかりやすい憲法に変えていくべきだ」と9条改憲を強く主張。民主・岡田代表も「国連が行う集団的安全保障に対してはもっと協力していくべきだ」と9条改憲の姿勢を示しました。

 志位さんは、9条2項の「戦力不保持」を取り外せということは、「海外での戦争が自由にできる国になる。アメリカと一緒に戦争ができる国になるところに一番の問題がある」と指摘。「集団的自衛権」の名でおこなった数々の侵略の歴史と、現にイラクで「先制攻撃戦略」を発動して戦争を仕掛けたことを示し、「アメリカと一緒に戦争をやることになったら、『集団的自衛』どころか、『集団的侵略』をやる国になってしまう」と批判しました。