2004年7月4日(日)「しんぶん赤旗」

人間らしく働ける雇用と
中小企業を大事にする政治へ

志位委員長、愛知・岡崎で演説


 日本共産党の志位和夫委員長は三日、トヨタ自動車の企業城下町・愛知県岡崎市で街頭演説し、小泉「構造改革」のもとで不安定雇用が拡大し、中小企業の経営が破壊されていることを告発、「『財界が主役』の政治をおおもとから変えることができるのは、日本共産党だけです」と支持を訴えました。

 志位氏は、ハローワークが午後五時になると、有期雇用で働く人で急に混雑がひどくなるという話を紹介し、「この五年間で正規社員が四百万人減り、それにかわって、パート、アルバイト、派遣労働、有期雇用などで働く人が三百七十万人も増えました」と指摘。「その一番の犠牲者が若者だというのは胸が痛みます。若い人たちを“使い捨て”の状況に置いて、日本の未来があるでしょうか。人間は物じゃない―このことを訴えたい」と力をこめました。

 「政治の責任はたいへん重い」と続けた志位氏は、雇用の「構造改革」と称して、働き方を悪くしていった政治の責任を指摘。「『派遣労働』を一般業種に拡大する大改悪をやったのは、日本共産党以外の全部の党です。リストラ応援の政治をすすめ、人間らしい雇用と生活を壊す勢力には、未来はまかせられません」と強調するとともに、長時間労働の是正、均等待遇のルールの確立など安定した雇用をふやす日本共産党の政策を紹介しました。

 中小企業の問題で志位氏は「二つの大きな逆流がかぶさっている」と指摘しました。

 一つは「不良債権の早期処理」と称して、「貸し渋り」「貸しはがし」がひどくなっていることです。小泉政権の三年間で中小企業への金融が二百三十兆円から百八十兆円に、五十兆円減っています。志位氏は「金融は中小企業にまず責任を果たす、そういう行政に転換をはかるべきです」と訴えました。

 もう一つは下請けいじめです。志位氏は、トヨタのある下請け中小企業が、単価の30%コストダウンを強いられて、会社をやめるかどうかを従業員にアンケートをしたという話を紹介。「日本経済を支えているのは物づくり、物づくりを支えているのは中小企業ではありませんか。その中小企業からしぼりあげて一部の大企業がもうけをあげたとしても、そんな経済は長続きしません」と力をこめました。

 そして、「ほんとうに経済をよくしようと思ったら、ここでも『財界が主役』の政治のゆがみを土台からただし、人間らしく働ける雇用と日本経済の主役である中小企業を大事にする政治に転換しなければなりません」と訴えました。