2004年6月19日(土)「しんぶん赤旗」

イラク多国籍軍への自衛隊参加の決定について

志位委員長が談話

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 日本共産党の志位和夫委員長は十八日、イラク多国籍軍への自衛隊参加について次の談話を発表しました。

 本日、政府は、イラク多国籍軍に自衛隊を参加させることを決定した。

 この決定は、まず第一に、イラク情勢を前向きに打開するうえで、きわめて有害である。国連安保理決議に明記されたイラクへの「完全な主権の返還」を実施していくためには、イラクに戦火と混乱をつくりだした元凶であるアメリカが、その軍事行動を強く自制しつつ、早期に撤退することが必要である。自衛隊を多国籍軍に参加させることは、このような方向に逆行するものである。

 第二に、多国籍軍への自衛隊参加は、日本国憲法を正面から蹂躙(じゅうりん)するものである。これまで政府でさえ、国連軍(多国籍軍)の任務・目的が武力行使を伴う場合には、自衛隊の参加は憲法上許されないとのべてきた。政府は、自衛隊の独自の指揮権が日本にあるから憲法に違反しないとしているが、多国籍軍が統一した指揮下にあることは、国連安保理決議などからも明白である。

 イラク問題の前向きの打開にとっても、日本の憲法の基本原則にてらしても、このように重大な問題をはらむ決定を、まずアメリカにだけ公約し、国会の審議もなく、国民に説明もせずに強行するなど、絶対に許されない。日本共産党は、自衛隊の多国籍軍への参加に反対し、イラクからのすみやかな撤退を強く求めるものである。