2003年11月9日(日)「しんぶん赤旗」

自民政治 大本から転換を

党幹部が各地で訴え


東京各地で 不破議長

 選挙戦最終日の八日、日本共産党の不破哲三議長は、比例東京ブロックの山口富男候補(四区と重複)、若林義春候補(二十二区と重複)を応援。それぞれの選挙区内を宣伝カーで駆けめぐり、後部デッキから手を振って支持をよびかけました。商店街、住宅街、駅前など、要所要所で車をとめ、二、三分から五分程度の短い演説で、こんどの選挙の核心をつく訴えをくりかえしました。

 そのなかで、とくに強調したのは、政治地図が変わって、与党対野党というこれまでの“常識”が通用しなくなったこと、そこを見極めて、本当に自分の思いと一致する政党と候補者を選んでほしい、という呼びかけでした。

 大田区では、梅屋敷商店街や蒲田駅前などをめぐり訴え。商店街では、店から出てきて手を振る商店主や、窓をあけてマンションから声援を送る市民の姿もありました。駅前では、他党派の宣伝隊とぶつかる場面もありました。

 狛江市では矢野裕市長も宣伝カーにのり、「市政をすすめるバックボーンである憲法をまもるためにも日本共産党へのご支持を」と訴えました。調布、三鷹両市でも駅前などで訴え、道ゆく人が足をとめ、訴えに耳を傾けていました。

兵庫、大阪、京都で 市田書記局長

 日本共産党の市田忠義書記局長は八日、前日につづいて激戦の近畿ブロックで応援、兵庫、大阪、京都三府県十一カ所で「憲法を守れ、暮らしを守れの願いを託せるのは日本共産党しかありません。みなさんのお力で近畿ブロックの五議席を何としても確保させてください。そして、さらに一議席でも二議席でも増やしてください」と街頭から力の限り訴えました。

 兵庫県尼崎市、大阪府豊中市、高槻市、枚方市、京都府宇治市、伏見区、山科区、東山区、左京区、北区、右京区で、比例候補、小選挙区候補とともに宣伝車の上から、時にはデッキからマイクを握り呼びかけました。

 市田書記局長は、争点は明確になったとして、自民、民主が財界の意向に従ってかかげる消費税増税と憲法「改正」を正面から批判、「護憲」を掲げていた社民党が憲法を変える民主党政権に加わることを表明したとのべ、いまや、どの問題でも国民の立場に立てるのは、日本共産党しかないと力説。「選挙結果を決めるのは国民の一票一票です。民主党に投票しようかと考えておられる方も、まだ決めておられない方も、憲法を守れ、暮らしを守れの一票は、党派を超え、こぞって日本共産党にお寄せいただき、ご一緒に二十一世紀、明るい日本をつくりましょう」と訴えました。

愛知、静岡で 上田副委員長

 日本共産党の上田耕一郎副委員長は八日、静岡県浜松市、愛知県豊橋市と、名古屋市内五カ所を駆け巡り、党の比例東海ブロックの二議席を何としても守り抜こうと訴え続けました。

 名古屋市の金山総合駅南口では、五百人の聴衆の前で、佐々木憲昭、せこゆき子両比例候補とともに訴え。成瀬昇全国革新懇代表世話人も応援演説に立ちました。

 上田氏は、選挙の焦点が、自民党、民主党の「政権交代」かのように取り上げられている問題について、背景に「二大政党」化を狙う財界のシナリオがあると指摘。自民党、民主党がそろって改憲、消費税増税を掲げたが、野党第一党が改憲、消費税増税を掲げたことはこれまでなかったことと強調しました。「民主党も財界の手のひらに乗ったのです。今度の選挙はこれまでの与野党対決の政治地図と明らかに違います。財界が応援する自民党、民主党、それに追随する公明党か、それとも、財界からびた一文お金をもらったことのない、清潔な国民の党、日本共産党かの対決が最大の争点なのです」と、力を込めて支持を呼びかけました。「そうだ」の声と拍手が起きました。


神奈川、千葉で 志位委員長が訴え

 志位和夫委員長は八日、神奈川では横浜市内五カ所で訴え、合計三千人が耳を傾けました。千葉では市川市、千葉市、船橋市で合計二千六百人を前に訴え、千葉市では千葉駅東口周辺を練り歩きました。

 志位氏は演説で、「今度の選挙は、これまでとは政党の地図が変わってしまっています」と切り出し、「財界の号令のもとで自民党がもちだした消費税大増税と憲法改悪という二つの悪政について、『政権選択選挙』といわれながら、自民党と民主党の間の対決点にならない。民主党がこの二つの問題で自民党と同じ側に合流してしまったからです」と指摘。「しかし、どんなに政党地図が変化しようとも、国民の立場にたって堂々と平和をまもり、くらしをまもる日本共産党の立場は微動だにしません。この政党の構図をよく見極めて、あすの投票日にはぜひ日本共産党を選んでください」と訴えました。

消費税増税競い合う自民、民主に暮らしまかせられない

 消費税をめぐっては、“年金の財源のため”という口実で「政権公約」で増税の方向を最初に打ち出したのが民主党だったことを指摘。そして選挙でごまかしてやり過ごす作戦だった自民党が、民主党の動きにあわてて増税を「政権公約」に盛り込み、自民、民主両党の「政権公約」に消費税増税がそろったという経過を解明し、「消費税という庶民いじめの税金を上げることで競い合う−どちらにも国民のくらしをまかせることができないのは明りょうではないでしょうか」と強調しました。

 消費税に頼らなくても安心できる社会保障を築くことができるという日本共産党の政策を語り、「しっかりとした責任のある提案をしているのが日本共産党です。どうか安心して消費税増税反対の声をあげようではありませんか」と力をこめました。

社民も改憲の民主と連立すれば「護憲」の看板はずすことに

 憲法改悪では、自民党が「政権公約」で最初に打ち出し、民主党がそれに応じて「論憲から創憲」−新しい憲法をつくることを打ち出したと指摘。“民主党政権になったら連立に参加する”という社民党の言明について、「憲法改定を公然と打ち出す民主党と連立すれば、『護憲』の看板をはずすことになるのではありませんか」とのべ、「こういう動きのなかで、憲法をまもれ、九条をまもれという立場を堂々とつらぬいているのが日本共産党です」と訴えました。

 そして「国軍」をもてるようにするという小泉首相の九条改悪論について、「九条の世界に例のないすばらしい特徴は、『戦争をしない』だけでなく、『軍隊をもたない』というところまで徹底的に恒久平和主義をつきつめて発展させたところにあります。これをとりはずしたら、九条が九条でなくなります」と強調。憲法改悪の狙いが、米国の地球的規模の戦争に自衛隊がなんの気兼ねもなく参戦するためだときびしく批判しました。

命がけで戦争反対貫いた筋金入りの平和の党が日本には必要

 戦前、侵略戦争をすすめたのが政友会と民政党という「二大政党」であり、社民党の前身である社会大衆党も戦争を推進し、大政翼賛会に合流した歴史の事実をあげ、「そのなかではげしい迫害を受けながら、命がけで戦争反対を貫き、ほんとうに平和な日本をつくろうとがんばりぬいた政党が日本共産党でした。こういう筋金入りの平和の党が、いまの日本には必要ではないでしょうか」と訴えました。

 消費税増税と憲法改悪の二つの悪政で自民と民主が同じ立場にたってしまった−この政党地図の変化の根本に、日本の政界を保守「二大政党」につくりかえようという財界の政界改造の計画があることを指摘。財界の十項目の要求に賛成する政党に献金するという財界のたくらみに、自民党も民主党も「ひもをつけてくれと競い合っています」と批判しました。

 財界がこの十項目にもとづく政党の「評価」をおこない、自民党も民主党も高く評価されたのに対し、日本共産党は「できばえが悪い」となったことをあげ、「国民のくらしをおしつぶす横暴勝手をすすめる財界から一番悪い点がつくというのは、共産党が国民の味方であることの証明ではないでしょうか」と強調。「日本共産党が伸びることこそ、平和とくらし、憲法をまもり、自民党政治を大本から変え、『国民こそ主人公』の日本改革の道を開く、一番の力になります。どうかそこを見極めて、あすの投票日には日本共産党を選んでください」と訴えました。