2003年9月5日(金)「しんぶん赤旗」

ベトナム共産党チョン政治局員と志位委員長が会談


 日本共産党の志位和夫委員長は四日、外務省の招待で訪日中のベトナム共産党のグエン・フー・チョン政治局員(ハノイ市党委員長)の党本部への来訪をうけ、会談しました。

 冒頭、チョン氏は、ノン・ドク・マイン・ベトナム共産党書記長からの不破議長、志位委員長へのあいさつを伝えました。

 志位氏は、一九六六年以来の日本共産党とベトナム共産党の友好関係の発展を喜びつつ、ベトナムが「ドイモイ(改革)」のなかで、「市場経済を通じて社会主義へ」という取り組みをすすめていることに注目していると発言。十一月の党大会で採択する予定の党綱領の改定案でも、そういう取り組みなど社会主義を目指す新しい探求が発展し、二十一世紀の世界史の重要な流れの一つになろうとしていると書き込まれていることを紹介しました。

 チョン氏は、ベトナムが、「社会主義の方向付けをもった市場経済」のもとで、「社会主義へと前進する過渡期にある」という理論的位置付けを明らかにしました。そのうえで、「社会主義の方向付けをもった市場経済」という方針が、現在の諸問題を解決できない資本主義の市場経済をそのまま導入するのではなく、市場経済を否定しゆきづまったソ連型経済を導入するのでもなく、これらの二つの誤った傾向の克服によって打ち出されたものであるとのべました。

 そして国の基幹産業を掌握するという任務をもった公営セクターが、市場経済での競争に勝つうえで、効率性を重視するとともに、勤労者の利益や社会福祉を守るなどの社会的役割を果たしていかなくてはならない点など、ベトナムにおける改革の特徴について紹介しました。

 志位氏は、「イラク戦争は悲劇だったが、戦争に反対し、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を守ろうとする流れが世界の大勢となったことは、注目すべき歴史の進歩だ」と指摘。チョン氏は、「アメリカ帝国主義はますます乱暴に一方的行動に出ており、国際法を無視している。テロ根絶には賛成だが、テロを口実にして他国に干渉することには賛成できない」とのべました。

 志位氏は、「いかなる理由であれ、国連憲章をじゅうりんした他国への攻撃は許されないことで世界は団結しなければならない。国連憲章にもとづく平和の国際秩序を守るという一点での共同が重要だ。この立場ならば、帝国主義に反対する国も、反対しない国も、世界の大部分が一致できる」と発言。チョン氏も「同感だ」と答えました。

 席上、双方が、両党関係の今後の発展を希望しました。

 会談には、日本共産党から、西口光国際局長、田代忠利国際局次長、鈴木勝比古「しんぶん赤旗」編集総務が、ベトナム側から、グエン・フイ・クアン党対外委員会副委員長、グエン・コク・チエウ・ハノイ党委員会常任委員、グエン・クアン・トウ・ハノイ市外務所長らが同席しました。