2003年8月21日(木)「しんぶん赤旗」

総選挙勝利めざし、党の値打ち光らす論戦を

神奈川県地方議員研修会で 志位委員長が講演


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神奈川県地方議員研修会で講演する志位委員長=20日、熱海市

 日本共産党の志位和夫委員長は二十日、静岡県熱海市で開かれた党神奈川県委員会主催の地方議員研修会で、党綱領改定案の内容と総選挙勝利、党大会成功にむけた課題について講演しました。

 衆・参院選候補、地方議員、党機関役員・職員ら約二百人が参加し、熱心に聞き入り、質疑応答が活発に交わされました。

 冒頭、総選挙勝利への決意を表明した志位氏は、綱領改定案の内容と、それを総選挙など直面するたたかいでどう生かしていくかという角度で解明しました。

 日米安保体制について、その対米従属の異常性を国民に広く告発することの重要性を指摘。ヨーロッパや東南アジアを中心に、アメリカいいなりでない平和と平等・互恵の国際秩序を求める流れが広がっていることを紹介し、神奈川県内の基地問題にもふれながら、「安保条約を廃棄し、対等・平等な日米関係を求める声を国民の多数派にしていく取り組みをおおいにすすめましょう」とのべました。

 日本経済の改革問題で、大企業のリストラやサービス残業の野放しなど「ルールなき資本主義」をただす重要性や、社会保障の立て直しと消費税増税反対のたたかいの課題について解明した志位氏は、「日米安保でも、経済の問題でも、日本共産党が世界のあたり前の流れ、国民のあたり前の願い、そして日本社会の必然的な要求を主張していることを訴え、選挙でも新しい前進をつくっていきましょう」と訴えました。

 自衛隊、天皇制について綱領改定案が「“理想の旗印”は堅持しつつ、解決へ向けた“具体的プロセス”を明らかにしたものです」と説明。「プロセスを明らかにしたことで、この問題でも筋の通った党の値打ちが光ることになります」とのべました。

 日本共産党の野党外交について、志位氏は「全党の確信にしてほしいこと」として、南アジア歴訪などの経験を紹介しながら、(1)世界のどこでも通じる公理に立っていること(2)世界で反共主義の壁、偏見がなくなっていること(3)党の自主独立への信頼が寄せられていること―をあげました。

 志位氏は、未来社会の問題で、「なぜ共産主義にこだわるのか」などの疑問にかみ合って党の立場をどう訴えていくかについて解明。綱領改定案が「生産手段の社会化」を正面から押し出した意義などを詳しく解明し、世界の資本主義の矛盾の批判・告発と一体にして攻勢的に未来社会論を訴えていこうと呼びかけました。

 最後に、秋にも予想される総選挙、来年の参院選挙での勝利に向けた政治論戦の問題に言及し、民主党と自由党の合併で“政権選択”論が浮上しているなかで、日本共産党が綱領改定案を力に二十一世紀の日本の進路を真正面から問い、野党のなかでの存在意義を光らせる論戦が大切であること、さらに反共攻撃を攻勢的に打ち破る重要性を詳しく解明しました。

 党員と機関紙を増やす「大運動」の意義について、志位氏が当面の選挙勝利にとっての重要性とともに、綱領を実現する党づくりという長期的展望を持ったものとして、全力をあげてこの課題の前進を勝ち取ろうと訴えると、参加者は大きな拍手でこたえました。

 先のいっせい地方選挙で初当選した鈴木とも子県議(藤沢市区)は「二十一世紀を展望した綱領だということを、世界的な広がりを持った志位さんの話で深めることができました。この綱領をしっかり身につけ、住民に役立つ県議に成長するため頑張りたい」と話しました。

 秋の総選挙にむけ奮闘している、かもした元・衆院神奈川九区候補は「自民党総裁選と新民主党の報道があふれているなかで、本当の改革の展望をもつ日本共産党の役割、野党のなかでの違いをどう押し出していくのか自分のなかに迷いもありましたが、講演を聴いてすっきり整理できました。当面する問題とともに、綱領が示す二十一世紀の展望を語りながら選挙で頑張りたい」と決意を新たにしていました。