2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」

前ベトナム国家副主席

グエン・ティ・ビン氏と志位委員長が懇談


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ベトナムのグエン・ティ・ビン前国家副主席(正面右)、レ・ティ・トゥー人口家族子ども委員長(右端)らと懇談する志位和夫委員長(正面左)、広井暢子党女性委員会副責任者(左端)ら=1日、党本部

 日本共産党の志位和夫委員長は一日、党本部でベトナムのグエン・ティ・ビン前国家副主席(副大統領)ら代表団と会見し、ベトナム戦争当時の思い出から、イラク戦争をめぐる国際情勢、両国・両党関係などについて親しく懇談しました。

 ビン氏は、南ベトナム臨時革命政府外相としてパリ和平会談に出席し和平協定に調印するなどの経歴を持ち、一九九二─二〇〇二年に国家副主席に二度選出されました。現在はベトナム平和発展基金(今年四月に設立)の総裁をつとめています。

 志位委員長は、ビン前国家副主席がアメリカのベトナム侵略戦争に反対する歴史的たたかいのなかで日本でもよく知られているとして、訪日を歓迎。侵略戦争に対するベトナムの勝利が「二十世紀の世界の歴史に大きな積極的影響を与えた」ことにふれながら、「イラク戦争に反対し、国連憲章にもとづく平和解決を求める点でも、日本共産党とベトナム政府の立場が共通していることは大変うれしい」とのべました。

 ビン前国家副主席は、「今日の複雑な国際情勢の下で、両党関係がこれまでと同様に良好なことは喜ばしい」とのべ、まだまだ解決すべき問題がたくさんあるので、今後も協力を強めていきたいと語りました。

 さらに、ベトナムは三十年間にわたって外国の侵略戦争に断固反対してたたかってきたとのべつつ、「イラク戦争は防げなかったが、今後はこのようなことが絶対に起こらないように努力しなければならない」と強調。各国の共産党と進歩勢力は、平和と国家主権を第一の課題としてたたかっていかなければならない」とのべました。

 ビン氏はまた「国連は常に期待どおりの役割を果たしてきたわけではないが、世界各国の国民のたたかいの結実であり、国連憲章は守るべき原則だ」とのべました。

 これをうけて志位氏が、「国連の役割は二十一世紀に増大している」と強調。ベトナム戦争当時、国連が有効な手だてを何も取れなかったこととくらべても、イラク戦争反対の広がりは「人類の進歩を示している」とのべるなど、息のあった懇談となりました。

 話題は、日本共産党の野党外交、ベトナム平和発展基金の活動、ベトナムでの経済建設、日本でのベトナム観光ブーム、両国の人口、子どもや家族をめぐる状況などにも及びました。

 日本側からは、広井暢子女性委員会副責任者、西口光国際局長、鈴木勝比古「しんぶん赤旗」編集総務、ベトナム側からは、レ・ティ・トゥー人口・家族・子ども委員長(閣僚)、グエン・クアン・タオ・ベトナム平和発展基金副総裁、チャン・ダク・ロイ同事務局長、ド・ホア・ビン在日ベトナム大使館公使参事官らが同席しました。