2003年3月30日(日)「しんぶん赤旗」

山梨 志位委員長演説、膨らむ人垣

政府は生活を“大量破壊”


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志位和夫委員長の街頭演説を聞く人たち=29日、JR甲府駅前

 日本共産党の志位和夫委員長は二十九日、山梨県の甲府駅前、白根町のAコープ白根店前で街頭演説を行い、告示まで一週間を切った県議選で、平和と暮らしを守る党候補の全員勝利を力をこめて訴えました。

 両会場では、買い物客などが次々足を止めて人垣がふくらみ、集まった聴衆は千二百人。甲府市での演説会終了後、若者を中心に約百人がイラク戦争反対の「ピースウオーク」を行いました。

 石原ひでふみ(甲府市)、中岡はる江(中巨摩郡)の両県議が議席を守りぬく決意を、雨宮ふみお候補(東八代郡)が新たに議席を獲得する決意をそれぞれのべました。

 志位委員長は、イラク戦争の無法ぶりを糾弾。恥ずべき「戦争支持」で平和運動を敵視する自民、公明など戦争勢力に審判をくだす選挙にし、「党創立以来八十一年間、侵略戦争に反対をつらぬいてきた日本共産党にどうか平和の願いをたくしてください」と訴えました。

 そして、「イラク戦争で人命の“大量破壊”をもたらす戦争を支持している小泉内閣は、日本国民の暮らしを“大量破壊”する冷たい政治をおしつけている」として、四月実施の医療費三割負担の凍結・中止を求める日本共産党の国会論戦と国民的運動の広がりを紹介。「たとえ強行されても、もとに戻すことを強く求めてたたかう」決意をのべました。

 山梨県では、二月の県知事選で知事が交代しましたが、県議会では自民、公明、民主などであいかわらずの「オール与党」体制がつくられました。志位氏は、新知事と「オール与党」は、これまでの巨大開発への無駄づかい、福祉と暮らしの仕事の放棄という「逆立ち」県政をもっとひどくすると指摘し、その実態を介護、医療、巨大開発の各分野で明らかにしました。

 そのうえで、(1)無駄な巨大開発予算を削って福祉と暮らしにまわす(2)農業予算を農産物の価格保障中心に切り替えるという「山梨県の公共事業政策の大改革」を提案。県が三百八十三億円を負担する「新山梨環状道路北部区間」をやめれば、県が見直しを検討している六十八歳・六十九歳の県独自の医療費助成(年三・八億円)の百年分をまかなえるだけの額になることや、青森県でリンゴの価格保障制度をすでにつくっていることを示し、「山梨でもモモ、ブドウの価格保障制度をつくろうではありませんか。そのために必要な基金二十億円は、四百億円の農業予算の5%をあてればできます」とよびかけました。

 県議会四十二議席のうち二議席であっても日本共産党が、県民の運動と結んで、乳幼児医療費助成の五歳までの拡充と自己負担一律押しつけをやめさせたこと、小児ぜんそくの入院医療費助成の拡充、ダム中止で県負担分で百八十八億円の節約をさせた実績を紹介し、「二議席から三議席へ躍進させてください」とよびかけ、大きな拍手に包まれました。

 五歳の息子を連れて話に聞き入っていた内田芳枝さん(36)=甲府市=は、「何でイラク戦争が始まったのか矛盾を感じていましたが、志位さんの『その国のことを決めるのは、その国の国民というのが国際社会のルール』という言葉が胸に落ちました。子どもたちを戦争に巻き込まないために、私も何かしたい」と語っていました。