2003年3月14日(金)「しんぶん赤旗」

イラク問題 党首会談でのやりとり


 小泉首相 査察の継続と言うが、イラクが協力の意思を示さなければいくらやっても出てこない。場合によっては、深刻な事態となると思わせるように、国際社会が結束して圧力をかけることではじめて変化する。

 新決議の採択はまだはっきりしないが、戦争か平和かは、たとえ採択されても猶予がある。武力行使を支持するかどうかの是非については、国連の状況をみて考えることだ。

 国際協調と日米同盟を両立させていきたい。ともかく国際社会の結束を図ることが何よりも大切だ。平和解決はのぞましいが、イラクしだいだ。そのためには圧力が必要だ。

 志位委員長 「平和解決のための圧力」と言うが、国連査察団のブリクス委員長は、「イラクの協力があったとしても数カ月の査察の継続が必要だ」と言っている。

 修正決議案は、それを「数日で軍備解体の証明をせよ」とはじめから実施不可能な条件をつきつけて、査察をむりやり中断し、戦争に切りかえるものだ。

 「国際社会の結束」と言うが、国際社会は安保理決議一四四一にもとづいて査察継続で結束していた。それを無理やり打ち切って、戦争に切り換えようとするから分岐が生じるのだ。だれがみても戦争に切りかえる決議案ではないか。それを「平和解決への圧力」という欺まんはやめよ。

 米英スペインの修正決議案は、査察を打ち切るという決議案だ。その点はみとめるか。

 首相 それはその通りだ。

 志位 それならば、査察という手段を放棄すれば、あとには戦争しか残らないではないか。まさに戦争に切りかえる決議案そのものではないか。

 福田康夫官房長官 この決議が採択されたとしても、イラクがどういう態度をとるかで戦争か平和かがきまる。それを戦争前提の決議だと言うのは決めつけだ。

 志位 首相は査察打ち切りの決議案だと認めたではないか。それなら戦争しかなくなる。戦争に切りかえる決議案を支持しながら、「平和解決」のために努力しているかのような欺まんはやめよ。いまからでも、イラク戦争に反対し、本当の意味での平和解決の立場に転換すべきだ。