2003年2月14日(金)「しんぶん赤旗」

スリランカ閣僚の日本共産党訪問

新本部ビル、赤旗編集局…驚きの連続

「私の忘れがたい日に」


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赤旗編集局を見学するグナセケラ氏(右から2人目)と立ち話をする不破議長(中央)と関口赤旗編集局長(左から2人目)=13日

なんとモダン

 日本を私的に訪問中のスリランカ内務地方自治担当大臣のアール・グナセケラ氏は十三日午前、日本共産党本部を訪れました。訪問のきっかけは、日本共産党が新しい党本部ビルを建てたことを知り、「共産党が新しいビルを建てた! 世界で共産党が衰退しているのに、そんな党を見てみたい」ということでした。同氏は宝石企業・ホテルを経営する成功した企業人としても有名で、日本で二十年来の友人である宝石器材業の梶塚賢一氏(台東民商南部支部長)が、緒方靖夫・党国際局長に紹介しました。

 グナセケラ氏は党本部の入り口に立ったとたんに、「なんとモダンな党本部だ。明るくガラス張りですね」と驚きの声をあげました。

 昨年十二月にスリランカを訪問したばかりの志位和夫委員長と会うなり、「スリランカのウィクラマシンハ首相と懇談した当日、地方にいたのでそのことをインターネットで知りました」とのべるなど、訪問の話に花がさきました。グナセケラ氏は、「次回は観光地キャンディに招待します。私のホテルがありますから」とのべました。それはウィクラマシンハ首相との会談の最後にすすめられた場所だったので、一同大笑いとなりました。

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パソコンを操作しながら談笑する志位委員長とグナセケラ氏=13日、委員長執務室

宅配びっくり

 同氏は、党の活動や機関紙活動の詳細について熱心に質問。国会議員の数や「しんぶん赤旗」読者の数に驚きの声をあげ、「赤旗」が駅頭のキオスクではなく、党員や支持者の労力で毎日読者の家に届けられていることを聞いて、「信じられない」と頭を振りました。

 志位氏が日刊紙を示すとそのページ数を見て「こんな多くのページ数を毎日出しているとは驚きだ」とのべ、これが赤旗編集局をあとで訪問する理由ともなりました。

 緒方氏らの案内で本部を一巡。十一階では東京をたびたび訪問してよく知っている同氏は、「明治神宮が見える」「なんといい場所にあることか」と感嘆。八階の委員長室で志位氏と再会し、「赤旗」の紙面に関心を示すグナセケラ氏に、志位委員長がパソコンで「赤旗」のホームページの英語版を開いて見せ、党の各分野の政策を説明しました。

 七階では書記局長室で市田忠義氏と懇談。「すばらしい党本部です」の言葉に、市田氏が「党員や支持者の募金によって建てられました」と説明すると、また驚きの顔。「次回は突然ではなく、電話ぐらいはしましょう」の言葉に笑いが広がりました。

定食とり談笑

 四階の食堂ではその日の定食二つをとって、たんめん、いか煮、味噌汁などを食べながら話が弾みました。同氏は「ミスター・シイのソフトできさくなキャラクターと党の魅力で、私もあなた方の党に入りたくなるぐらいです」とジョークも飛ばしながら、「日本の財界があなた方の党を恐れなくなる状況をつくることが肝心ではないか」とコメント。「自分は企業家と政治家を両立させているが、今後政府でももっと重い責任を担いたいと思う」と決意の一端を語りました。「野党も経験したが、与党よりも野党のときの方がリラックスしていた」とのべながら、「日本共産党は、いつ政府に入るのか」と質問しました。

 食事の最後に志位委員長とここで三度目の出会い。「委員長もここで食べるのですか」「そうですよ」の返事に感心することしきり。

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市田書記局長の執務室を訪問したグナセケラ氏=13日、党本部

国での活用を

 続いてグナセケラ氏は赤旗編集局を訪れ、日曜版、外信部、政治部、社会部などを視察し、説明を受けました。編集局では、同じ建物でおこなわれる党の全国会議に来ていた不破哲三議長ともばったり出会い、あいさつを交わしました。

 不破氏は、来訪に感謝しながら、「私が党本部で働き始めたのは三十九年前で、赤旗編集局長が赤旗で働き始めたのも三十九年前です」と、関口孝夫編集局長を紹介しました。グナセケラ氏は「私にとってもここを訪問できたのはうれしいことです」とにこやかに語り、「みなさんがたいへん組織的に仕事をしていることが印象的です。このシステムをわが国で活用させていただきたい」と感想を述べました。

 関口氏が「赤旗」日刊紙を示すと、「マドンナもイラク戦争に反対しているのですね。すばらしい」「これから毎日、日本共産党の英文ホームページにアクセスします」と言いました。同氏が、「明日、シンガポールで閣僚と会うが、そのときに、パソコンを開いて、私の党本部訪問の記事を見せて、この経験の話をしましょう」とのべると、「不破氏は、三年半前にシンガポールを訪問している」との紹介の声が入り、話が弾みました。

私も訪問記

 グナセケラ氏は別れ際に、「きょうは私の人生にとって忘れがたい日となりました。訪問前と訪問後とでは、日本共産党についての見方・印象が大きく変わるといううれしい経験をしました。私も今日の訪問について、私の党(統一国民党)の新聞に、明日訪問するシンガポールから訪問記と写真を送り、アジアにこういう共産党があることを伝えます」と語りました。さらに「共産党に対する誤解や偏見を克服して、日本共産党が早く政権につくことを願っています」と、送っていった緒方氏とかたく握手しました。