2003年2月8日(土)「しんぶん赤旗」

査察強化で平和解決求めよ

衆院予算委 志位委員長の総括質問


 「四兆円負担増にひとかけらの道理もない。今からでも中止せよ」−−七日の衆院予算委員会で日本共産党の志位和夫委員長の舌ぽう鋭い声が委員会室に響きました。イラク問題、国民負担増、不良債権処理、公共事業と企業献金など焦眉(しょうび)の問題をとりあげた総括質問。質問最中に共感の電話が寄せられるなど大きな反響を呼びました。


査察継続を明言できず
歴史に汚点残す首相答弁

イラク問題

 志位氏 査察による平和的解決か、戦争という手段に訴えるのか、二つに一つだ。日本政府はどっちなのか。

 小泉首相 大事なのはイラクが査察に協力すること。日本は今後の状況を見て判断する。

 米国のパウエル国務長官は、国連安保理への情報提示のなかで、イラクが査察に積極的に協力せず「隠ぺい工作」や「査察妨害」をおこなっていると主張しています。志位氏は「隠ぺいや妨害があるのなら、査察の継続・強化がいっそう必要だ。これは安保理多数の声でもある」と指摘。「日本政府は査察の継続・強化による平和解決を求めないのか」と迫りました。

 小泉首相は「大事なのはイラクが査察に積極的に協力すること。査察を継続すべきというが、いま継続している」などと核心に答えようとしません。

 志位氏 “他国の様子を見て決める”と言うが、世界の国々は査察継続を主張し、フランスは査察強化の具体案も示した。一方米国は「問題は査察団に対してどれだけ時間を与えるかではもはやない」と言っている。どっちに賛成するのか。

 首相 十四日の査察の再報告を待って判断する。

 米国に査察継続・強化を求めることをあくまで拒否する首相。志位氏は「査察の継続・強化を言わない。これは戦争への選択肢を事実上選ぶことだ。歴史に汚点を残す答弁だ」と批判。「世界の多数の世論が求めている査察による平和解決を、日本政府は今からでもきちんと言うべきだ」と主張しました。

資料にくぎづけの閣僚
首相、疑惑の献金調査拒否

表


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政治とカネ

 「政治とカネ」の問題で志位委員長が示した独自調査。配布した資料に閣僚の目がくぎづけになりました。

 志位氏が資料全体の感想を尋ねたのに対し、首相は「『選挙に際し』ということでなく政治活動として一般的にもらっている献金はある」と自分の弁明を始めました。

 志位氏 政治資金として届け出をしていても、実質的に選挙献金だと認定されたら違法になるというのが長崎(自民党県連)の事件だ。

 首相 五十万円が突出しているとは思わない。

 志位氏 額は関係ない。ゼロから五十万円になるのを“突出”という。

 違法性が問われる献金の調査を求める志位氏に、小泉首相は「疑惑を持たれたら本人なり責任者が説明するのが当然だ」と拒否しました。

 続いて聞かれもしないのに答弁に立ったのは片山虎之助総務相です。

 片山氏は、参院選前の五年間で献金がゼロだった企業から、二〇〇一年の参院選時に二百六十万円の献金が集中していることについて「選挙のときが政治活動も一番盛んになるときで、政治活動への寄付として適法に処理している」と答弁。議場から「語るに落ちる」と爆笑が起きました。