2002年12月15日(日)「しんぶん赤旗」

“暮らしから平和の問題まで納得”

―山梨、甲府の演説会で


 「これからの政治を担う党だと思います」――日本共産党山梨県委員会が十四日、志位和夫委員長を迎え甲府市の県立武道館で開いた大演説会は、聴衆の共感を呼びました。演説会には四十五台のバスや乗用車に乗った参加者が県内全域から集まり、千六百人で会場は熱気に包まれました。無所属の地方議員も参加し、地元テレビ局をはじめマスコミ各社も取材するなど注目を集めました。


 

甲府での演説会に1600人

志位委員長の訴えに共感

志位和夫委員長を迎えて開かれた日本共産党大演説会=14日、甲府市・県立武道館

 明るい民主県政をつくる会(明るい会)の福田剛司知事候補が決意表明し、日本共産党の石原ひでふみ=現、甲府市区=、中岡はる江=現、中巨摩郡区=、雨宮ふみお=新、東八代郡区=の三県議候補が、「県民の暮らし・福祉を守る県政を実現するため、日本共産党を大きくのばしてください」などと訴えました。

 拍手に迎えられて登壇した志位委員長は、”政党らしい政党”として政党本来の活動を堂々と展開している日本共産党の「値打ち」を縦横に語りかけました。

 外交、経済の問題に触れたなかで、米国が準備をすすめるイラク攻撃にかかわり、「罪なき人々を殺す無法な戦争は絶対に許されない」とのべ、さらに「先制攻撃の戦争は民衆を殺すだけでなく、国連憲章も”殺される”ことになる」と批判。そのうえで、平和を求めておこなった日本共産党の中東六カ国訪問の意義を詳しく語り、「日本政府は、無法な戦争の後押しでなく、九条にもとづいて平和のための外交努力こそすべきです。平和の願いを、八十年の歴史で試された平和の党にたくしてほしい」とよびかけると、大きな拍手がおきました。

 地方政治の問題に話をすすめた志位氏は、全国で無党派、保守の人々と日本共産党が力をあわせ政治を変える新しい流れが広がっていることを紹介。山梨県政について、九月議会での天野知事の引退表明に触れながら、「山梨でも『オール与党』政治は、たちゆかなくなりつつあります」と語りかけると、会場から拍手がわきおこりました。

 これまでの「オール与党」県政の実態について、民生費の割合が全国三十五位から四十一位に、老人福祉費が十九位から四十六位(九〇年度と九九年度の比較)に落ち込んだこと、さらに介護保険の保険料・利用料の減免を実施する市町村に、「適切ではない」と県が圧力をかけていることを厳しく告発。「市町村を応援すべき県が押さえつけるとは、やることが逆です」と批判すると、共感の大きな拍手がおきました。

 福祉切り捨ての一方で、天野県政十二年で公共事業費は一・九倍化し、借金が二・七倍になったことをあげて、これを「開発すれば企業がくるという”呼びこみ”型開発の破たん」と特徴づけました。

 その一例として、ソフトウエア産業の呼びこみをねらった「山梨ビジネス・パーク」では、九六年に分譲を開始しながら、分譲価格を半値にしてもなかなか進出企業がこないにもかかわらず、さらに県が「米倉山ニュータウン」という巨大な産業団地づくりに乗りだしたことを指摘。しかも、それもゆきづまると、米倉山の造成地に、三百億円から四百億円もかけて、安全性に大きな問題を抱えているゴミ処理施設「ガス化溶融炉」の建設をすすめようとしているとのべ、「無駄遣いが無駄遣いをよび、とうとう県民にとって危険な無駄遣いにのりだすところまで県政は『逆立ち』している」と痛烈に批判しました。

 乳幼児医療費助成が五歳にまで拡充されたとき、県が一部自己負担を導入し、一部負担をとらない市町村に圧力をかけようとしたことに触れ、このとき日本共産党の県議団が追及し、この圧力をやめさせ、今では自己負担なしが十八市町村ですすんでいる実績を紹介。「この力を大きくして県政を転換させようではありませんか。国民とともに歩む日本共産党を大きく伸ばしてください」と力強く訴えると、会場から大きな拍手がおきました。


先見性になるほど 参加者

 大泉村から参加した女性(50)=農業=は、「拉致問題などで、先見性をもって独自の立場をとっていたことが分かりやすく、なるほどと思いました」と話していました。

 また、日本共産党の演説会は初参加の甲府市の久保春子さん(84)は、「テレビで志位さんが国会でがんばっているのを見ていたので、お友だちを誘ってきました。共産党は団結してよくがんばっていると思います」といいます。甲府市の男性(25)=病院事務=は、「国保料が高くて滞納せざるをえない患者さんに毎日胸を痛め、まじめに経営していた母の実家の会社が貸し渋りで倒産させられ、悔しい思いをしていました。志位さんの言うように、地方政治が変われば、よくなる部分は多いと思います」と語ります。

 初めて参加した境川村の男性(66)=洋画家=は、「暮らしから平和の問題まで、納得のいく話が聞けてよかった。今度の選挙では、ぜひ伸びてほしい」。