2002年10月23日(水)「しんぶん赤旗」

イラク問題

米の先制攻撃に反対し、協力拒否の意思表示迫る


 先制攻撃の戦争に、日本政府としてきっぱり反対し協力拒否の意思表示を――。日本共産党の志位和夫委員長は、二十二日の衆院本会議での代表質問で、米国がイラクへの先制攻撃を辞さないとしていることについて、それを合理化できる理由はまったくないことを明らかにするとともに、イラク問題での平和的な解決方向を示し、小泉首相に迫りました。

 志位氏は、日本共産党が、党代表団の中東歴訪など、この間、戦争回避と平和解決のための独自の外交活動をおこなってきたことを詳しく紹介。目立ったヤジも起こらず、議場は静まり返りました。

 志位氏が挙げたのは第一に、イラクへの軍事攻撃は、昨年のアフガン攻撃とは性格を異にしていることです。

 アフガン報復戦争に対して、日本共産党は反対しましたが、米国への同時多発テロを「武力攻撃」とみなして、それに対する「反撃」という議論もありました。しかし米政府は、同時多発テロとイラク政府を結びつけるいかなる証拠も国際社会に示していません。「『テロへの対抗』をイラク攻撃の大義名分にする議論は成り立たない」(志位氏)のです。

 第二に、イラクの大量破壊兵器問題をどう解決するかです。

 イラクには、国連安保理決議687にもとづいて、国内のすべての大量破壊兵器を破棄する義務があります。この点について志位氏は、イラクが十月一日、一部の大統領関連施設を除く全施設の無条件査察再開で国連と合意したこと、加えて十三日、イラクのハマディ国会議長らは日本共産党中東訪問団との会談で、「八つの大統領宮殿をふくむすべての施設、場所への査察を無条件で認める」と言明したことを「政治的解決に向けての重要な前進」だと指摘し、「イラクへの無条件査察の実施に障害はないはずだ」とただしました。

 そして志位氏は、無条件査察の具体化・実行のため日本政府として国連の場での努力を求めるとともに「大量破壊兵器の問題は、あくまで政治的交渉で解決すべき問題であり、戦争に訴えることを選択肢にしてはならない」と強調しました。

 小泉首相は、「米国による軍事行動を予断することは差し控えたい」とのべるにとどまり、態度表明を避けました。