2002年10月11日(金)「しんぶん赤旗」

暮らしと経済、外交と平和

道理ある解決策しめす日本共産党こそ、
21世紀の政治になう資格のある党

参議院千葉補欠選挙での志位委員長の訴え


 日本共産党の志位和夫委員長が十日午前、千葉市のJR千葉駅前でおこなった演説(大要)はつぎのとおりです。

 志位氏は冒頭、千葉県選挙区では、井上裕前参院議長の公共事業口利き疑惑による辞職をうけての選挙となることにふれ、何の反省もない自民党にきびしい審判をくだし、日本共産党の浅野ふみ子候補の勝利で汚れきった政治の大そうじをさせていただきたいと訴え、つぎのようにつづけました。

 この選挙は、世界と日本の大きな激動のなかでたたかわれています。二十一世紀の日本の進路が問われる選挙です。私は、どの党が、二十一世紀の政治をたくせる党なのかということを、二つの大きな問題でみきわめていただきたいと思うのであります。

暮らしと経済をたてなおす道をしめしている党は、どの党か

 第一は、暮らしと経済をたてなおす道をしめしている党は、どの党か、という問題です。

「竹中ショック」――市場も“日本経済お先真っ暗”の判定を

 小泉首相が九月三十日に内閣の改造をやりました。竹中大臣が、経済・財政担当だけでなく、金融担当まで一手に引きうける布陣が敷かれました。そのとたんに、「竹中ショック」といわれる衝撃が日本経済を襲いました。日経平均株価は、九千円を割り込んで、昨日は一時、八千五百円を下回り、バブル経済破たん以後の最安値を更新して、まさに暴落です。株というのは、経済の先ゆきをしめす指標といわれています。その暴落は、市場が、このままでは“日本経済の先ゆき真っ暗”と判定しているものにほかなりません。

 市場がこれだけ大きく動揺しているのは、小泉・竹中ラインで「不良債権処理の加速」という掛け声で、中小企業をどんどんつぶし、倒産と失業をもっとひどくすることへの不安が広がっているからです。竹中大臣は、「業績の悪い企業は、市場から退出してもらうのが資本主義の原理だ」と冷たく言い放ちました。長い不況で苦しむ中小企業の業績があがるように景気をたてなおすことこそ政府の仕事ではないか。業績が悪いからと切りすてるのは、不況で苦しむ中小企業にとって恐怖政治そのものではないでしょうか。不況で苦しむ国民の暮らしはまったく眼中にない言葉ではないでしょうか。むきだしの弱肉強食で、後は野となれ山となれという勢力に、日本経済の未来をたくすわけには絶対にいかないではありませんか。(拍手、「そうだ」の声)

 日本共産党は、ここまでひどくなった暮らしと経済をどうたてなおすかについて、四つの緊急要求を発表し、その実現のために全力をあげています。

社会保障の負担増中止を――暮らし痛めつける政治では、経済も財政も共倒れに

 第一の要求は、社会保障の空前の負担増計画を中止するということです。

 今年度から来年度にかけて、医療費が上がる、介護保険料が上がる、年金は下がる、雇用保険料が上がる。社会保障だけで合計三兆二千四百億円もの負担増の計画が進められています。

 しかし、「財政が大変」だからといって国民に負担増をしいる政治というのは、大失敗が証明ずみの道なのです。一九九七年に、橋本内閣がおこなった消費税の値上げ、医療費の値上げなど、九兆円の負担増がありましたでしょう。これは、景気をどん底に突き落としました。同時に、財政も泥沼に落ち込ませました。「落ち込んだ景気をたてなおす」ということで、小渕内閣にかわったら、ゼネコンにどんどん税金を注ぐ、大銀行にどんどん税金を注ぐ。いっそう野放図になりました。その結果、一九九七年度には、国と地方自治体の借金は四百九十二兆円だったものが、二〇〇二年度には六百九十三兆円になった。わずか五年間で二百兆円も借金を増やす結果になりました。国民の暮らしを痛めつける政治というのは、経済をだめにするだけではありません。財政もだめにする。共倒れになる道であることは、証明ずみではないでしょうか。(拍手)

 私が党首討論で、三兆円の負担増を告発したのは七月のことです。そのあと心ある方々のなかで、「こんなことをやっては大変だ」という声が広がりました。最近の朝日新聞の特集では、「このままでは橋本さんの二の舞いだ」という見出しで、経済界の方も含めて批判が広がっていることを報じていました。不況のなかで、ほんらいなら暮らしの支えとなるべき社会保障で、三兆円をこえる痛みを押しつけようという計画を、中止させるために力をあわせようではありませんか。(拍手)

国民や中小企業増税をやめよ――三つの増税計画と、大企業むけの減税ばらまき

 第二の要求は、国民や中小企業への増税をやめさせることです。いま三つの増税計画が目の前にせまっています。

 一つは、所得税と住民税の増税です。配偶者特別控除、高校生や大学生がいるご家庭の特定扶養控除を縮小・廃止するという計画です。これは、五千億円から一兆円の増税になります。

 二つ目は、赤字の中小企業のみなさんにおそいかかる外形標準課税の導入です。これをやられますと、約八千億円の増税です。

 三つ目に、消費税の増税ということが公然と語られはじめました。二〇〇四年度に年金制度の改定が予定されています。そのとき基礎年金への国庫負担の引き上げがされる。その財源を消費税に求めようというのです。公明党出身の厚生労働大臣の坂口さんは、「消費税の引き上げでお願いする」と明言しました。これがやられますと二兆六千億円の増税です。

 しかし、その一方で、政府は、大企業などにたいしては二兆円規模の減税を計画しているではありませんか。庶民から巨額の増税で吸い上げておいて、大企業に減税でばらまくという、こんな逆立ちした政治はがまんがならないではありませんか。(拍手)

「不良債権処理の加速」――国民の税金をつかっての中小企業つぶしの暴挙

 第三の要求は、「不良債権の早期処理」の名での、中小企業つぶしの政策を転換することであります。

 これも、小泉政権のもとで一年余にわたってつづけられてきましたが、大失敗が証明ずみの政策です。銀行による中小企業への貸し渋り、貸しはがしは、しれつをきわめています。さらに、中小業者のみなさんが最後の命の綱としてきた信用組合・信用金庫に、金融庁がずかずか土足で入ってきて、この間、全国で五十六もつぶした。これは景気をいっそう悪くしました。その結果、不良債権がさらに増えるという悪循環におちいりました。この一年間で十兆円の不良債権を処理したけれど、あらたに二十兆円の不良債権ができて、総額は三十三兆円から四十三兆円に十兆円増えた。こういう悪循環がおこっています。

 ところが、小泉・竹中ラインでやろうとしているのは、その「不良債権処理」を「加速」するということです。そのために銀行に「きびしい査定」をおこなう。そして、正常債権まで、「不良」のほうに投げ込み、つぶしてしまう。その結果、銀行の経営が大変になったら、今度は国民の税金で助けてやる。これがいまやろうとしていることなのです。

 これまでも大銀行を助けるために税金が湯水のごとく使われました。三十兆円も入れられました。しかし、これまでの税金投入は、「預金者保護のため」「貸し渋りをなくすため」というのが建前だった。実際はインチキでしたけれども、建前はそうでした。今度はちがいます。今度は「中小企業をつぶすために、国民の税金を入れる」ということをむきだしで宣言しているわけですから、こんなにでたらめな政治はありません。

 みなさん、国策としての中小企業をつぶす政治はきっぱりやめて、地域経済と地域金融に責任をおう政治への転換を強く求めていこうではありませんか。(拍手)

職場の無法一掃と失業者の生活保障――社会的連帯で暮らしをまもる政治を

 第四の要求は、職場の無法を一掃し、失業者への生活保障をしっかりおこなうことです。

 職場の無法ということでいいますと「サービス残業」があります。私ども一九七〇年代から国会でこの是正を求めつづけてきました。職場のたたかいも広がった。そんななかで去年四月、厚生労働省がとうとう根絶のための通達を出しました。そして、労働基準監督署が全国の事業所に検査に入った。全国の一万六千五十九の事業所で、是正勧告が出されました。東京都だけでも七百十八の事業所で是正勧告が出され、十五億円の不払い賃金を取り戻すことができました。これを第一歩にして、退職や転籍の強要もふくめ無法をなくすためのたたかいをおおいに広げようではありませんか。(拍手)

 完全失業者で三百六十万人、ご家族もあわせると一千万人の人が苦しんでいる失業者とその家族にたいする生活保障もまったなしです。私たちは、ぎりぎりの緊急の要求として、まず雇用保険の給付期間を一年間まで延ばす。その財源は、リストラで大量の首きりをやり、大もうけをあげながら、雇用保険財政を悪化させている大企業から特別保険料をとってあてる(拍手)。そして、ヨーロッパでやっているように雇用保険が切れたあとも、国の責任で失業者への生活保障制度をつくる。さらに、お父さんやお母さんが失業した場合に、学校に行けない、住宅も手放さなくてはならない、こういう事態をなくすために、つなぎの融資制度を緊急におこなう必要があります。つなぎ就労の場を自治体の責任で確保する必要があります。

 失業している方も、働いている方も、社会的連帯で暮らしを守る、そのための責任を政治に果たさせようではありませんか。(拍手)

「国民生活の再建なくして、日本経済の再建なし」

 みなさん、四つの緊急要求を貫いている考え方というのは、「国民生活の再建なくして、日本経済の再建なし」ということであります。これまでの自民党政治――「大企業や大銀行の応援をやれば、経済は活発になる」――この道を進んできた結果、もうなんとも先がなくなってしまったのが現状ですから、大転換が必要です。経済政策を、「国民が主人公」へと転換する、その願いをどうか日本共産党にたくしてください。(大きな拍手)

“道理にたった外交”をになえる党は、どの党か

 第二は、“道理にたった外交”をになえる政党は、どの党か、という問題です。

イラク攻撃計画――ひとかけらの道理もない、国連憲章を蹂躙する無法

 日本共産党は、世界とアジアの平和のために、“道理にたった外交”の努力をすすめてきました。いまとくに力をいれているのは、アメリカによるイラク攻撃に反対し、国連憲章にもとづく平和の秩序を守るとりくみです。

 アメリカによるイラクへの軍事攻撃の計画には、ひとかけらの道理もありません。そこにあるのは国連憲章をふみやぶる無法だけです。

 第一に、「テロへの対抗」は、イラクへの戦争の大義名分にはなりません。アフガニスタンへの報復戦争にも、私たちは反対しました。しかしアフガンへの報復戦争のさいには、九月十一日のテロをアメリカへの「攻撃」とみなして、そのテロの容疑者がアフガンにいるということが言われ、それへの「反撃」だとする議論もおこなわれました。しかし今度はちがう。九月十一日のテロとイラクを結びつける証拠は、アメリカの情報機関がちまなこになって探しても、世界に何一つしめすことができないではありませんか。イラクへの戦争というのは、アフガンへの報復戦争とも性格を異にしたものなのです。テロを口実にしたイラク攻撃はまったく成り立たないということを、まずはっきり言わなくてはなりません。(拍手)

 第二に、「大量破壊兵器」の問題はどうでしょう。この問題は、もともと政治的交渉で解決すべき問題であって、戦争に訴えてはならない性格の問題だと思います。さらに経過を見てみましょう。湾岸戦争があり、その停戦のとりきめとしてイラクは国連安保理決議687を受諾しました。ここにはイラクが大量破壊兵器を廃棄するということが明記されています。イラクは国連安保理決議687を誠実に順守する国際的な義務があります。この点で、イラク政府が大量破壊兵器の査察の受け入れを表明し、十月一日に国連代表とイラク代表との間で査察再開で合意した。これは、事態の政治的解決へ向けた大きな前進でした。これで戦争を回避できると、世界の多くの国々が歓迎しました。

 ところがいま、アメリカがやっていることは、イラクがのめないようなきびしい条件の新しい安保理決議案を、押しつけようということです。この決議案には、武力を使った強制査察をおこない、いざというときは軍事力行使をやってもいいということが書いてある。これを安保理は受け入れよ、それまでは査察をするなというのです。国連とイラクで査察の合意をしているのに、査察をするなと妨害しているのがアメリカなのです。

21世紀を恐怖が支配する暗たんたる世界にすることを、断固として拒否しよう

 この背景には、ブッシュ・ドクトリンとよばれるアメリカの世界戦略があります。アメリカが必要と考えれば、先制攻撃も辞さない、一方的に核兵器も使う、政権の転覆までやる――こういう方針が、この間の米国政府の公式文書にかかれました。

 みなさん、先制攻撃というのは、国連憲章で絶対やってはならないと決められている無法です。これをアメリカが天下御免でやりだしたら、世界はまさに弱肉強食が横行する暗たんたるものになってしまいます。ですから、こういうアメリカの暴走にたいしては、ヨーロッパ諸国も反対している。中東諸国も反対している。アジア諸国も反対です。アメリカの国内からも、ゴア前副大統領は、「法の支配を恐怖の支配に変えるものだ」ときびしく反対しています。

 みなさん、二十一世紀の世界を、恐怖が支配する暗たんたる世界にすることを断固として拒否しようではありませんか。(大きな拍手)

日本共産党――イラク攻撃をやめさせるための独自の外交努力

 日本共産党は、この間、イラクへの戦争をやめさせるために全力をあげてきました。八月末に、不破議長は訪中したさい、江沢民総書記と会談し、「イラク攻撃反対」での一致点が確認されました。先日、ベトナムのマイン書記長が訪日したさいは、不破さんと私が会って、ここでも「イラク攻撃反対」での一致が確認されました。

 そしていま、緒方参議院議員を団長とする党の訪問団が、ヨルダン、イラク、エジプト、アラブ首長国連邦、カタールという、中東諸国を歴訪中です。最初の訪問地のヨルダンでは、上院第一副議長のラワーブデさんという首相も務められていた方が、緒方さんと会談してこういったそうです。「イラクにたいする攻撃を望んでいるアラブ民衆は一人としていない」。これが中東の声です。そしてこの会談でも、「国連憲章にもとづく解決」で一致をみたと聞きました。イラク問題の平和的解決を求める声が、国際政治のなかで多数になるように、独自の外交努力に全力をつくしたいと思います。(拍手)

 この問題での私たちのスローガンは、簡単明りょうです。「国連憲章を守れ」ということです。「国連憲章を守れ」というスローガンのもとに、イラク攻撃をやめさせる世論と運動を急速に強めようではありませんか(拍手)。そして日本政府がどんな形であれ、この無法な戦争に協力することは、絶対にやめさせようではありませんか(拍手)。アメリカの介入戦争に日本が参戦する有事法案はきっぱり廃案に追いこもうではありませんか(拍手)。平和を願う一票を、どうか日本共産党にたくしてください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

北東アジアの平和のために――日朝の「交渉ルートを開け」という不破提言

 “道理にたった外交”という点で、東アジアに平和と友好の関係を築き上げることにも、私たちは力を入れてきました。

 私たち日本は、東アジアに生きている国であります。この地域の平和と安定がしっかり築かれれば、将来に心配はなくなります。この点で、私どもが東南アジア諸国を訪問して、いろいろと交流してみますと、東南アジアでは、ASEAN(東南アジア諸国連合)という枠組みがつくられて、もめごとがおこったら、すべて話し合いで平和的に解決しましょうというしくみができていて、戦争の心配はありません。ですから、北東アジアの三つの地域――日本と朝鮮半島と中国の間で平和と安定のしくみができれば、日本国民が二十一世紀の将来にわたって、安心して生きていくことができるようになります。

 そのなかでも、日本と北朝鮮との関係をどう敵対から友好に変えるのかというのは、大きな問題です。四年ほど前ですが、一九九八年の八月に「テポドン」というミサイルが飛んできたことがありましたでしょう。あのときのことを思い出しますと、日本の側では「いつテポドンがうちこまれるかわからない」といって、「ガイドラインだ、戦争法だ」と、軍事の対応が強化されました。いっぽう北朝鮮の報道を見ますと、「いつ日本がアメリカと組んで攻めてくるかわからない」といって、こちらのほうも、危ない危ないといっている。双方が「危ない」といいあって、軍事対軍事の悪循環がおこっていました。

 そこで、九九年一月に、不破委員長(当時)が国会で、提案しました。“軍事対軍事の危険な状況を打開していくうえでも、日本と北朝鮮の政府間に、交渉ルートをつくろうではないか”という提案でした。なんでも話し合いで解決するためにルートをつくろうではないかという提案でした。

 同時に不破さんは、“私たちは、北朝鮮という国が、国際社会のルールを守らない国であるということをよく知っている”ということもその場で言いました。北朝鮮は、一九八三年にラングーン事件をおこしています。八七年には大韓航空機爆破事件をおこしています。日本共産党はきびしい批判をやりました。そうしますと、先方から「敵の側に加担するのか」という攻撃がやられて、断絶状態となった経過があるのです。だから北朝鮮がそういう国であることはよく知っているけれども、“相手がそういう状況であればあるほど、日本の側は理性的な対応をやって、交渉ルートを開く必要があるのではないか”というのが九九年一月の提案だったのです。

 その年の十一月に、もう一度、不破さんはさらに突っ込んで、“日朝間にはいろいろな問題がある、ミサイルの問題がある、拉致の問題がある、そして過去の植民地支配の清算の問題がある、いろいろな問題があるけれども、どれも話し合わなければ解決しない、だから無条件に交渉ルートを開くべきだ”という提案をおこないました。

 それがいろいろと紆余(うよ)曲折はあったけれども、みのって今年の九月十七日の日朝首脳会談ということになりました。私たちが、この会談で日朝国交正常化交渉の再開が合意されたことを、強く支持すると言ったのは、そういう経過があったからなのであります。(拍手)

 この首脳会談のなかで、拉致について痛ましい事実が明らかになりました。この問題ではひきつづき解決のための努力が必要です。真相究明をはかること、責任者の厳正な処罰、被害者の方々への謝罪と補償、これらの一連の課題が、今後の日朝国交正常化交渉のなかで、またそれと並行してしっかりとりくまれ、解決がはかられる必要があります。

 ただこの問題で、もう一面見ておく必要があるのは、これまで北朝鮮は拉致の事実すら認めなかった。その態度を変えて、ともかく事実を認め、謝罪したことは転換なんです。これまで北朝鮮はいろいろな国際的な無法行為を働いてきました。この無法行為が全体としてきちんと清算されることが、私たちは北朝鮮が国際社会の仲間入りする大きなかぎであると思っています。一部ですが転換が始まったということを見て、この国がほんとうに国際社会の仲間入りをする方向に働きかけ、交渉していくことが大切なのではないでしょうか。(拍手)

日朝関係が敵対から友好にかわるために――道理にたって力つくす

 日朝首脳会談の翌日に党首会談がおこなわれ、他の野党党首も発言しましたが、率直にいっていただけませんでした。民主党の代表は、国交正常化交渉は「時期尚早」だといって反対しました。自由党の党首も、「宣言に署名したのは間違いだ」といって交渉反対の態度をしめしました。しかしみなさん、交渉に反対し、門戸をとざすことで、どういう展望が開かれるというのでしょうか。拉致の問題にしても、どんな日朝間の懸案の問題にしても、交渉を通じてこそ解決がはかられるのではないでしょうか。(拍手)

 私は、その党首会談の場で、「小泉さんと私は、国政のあらゆる問題で対決しているが、小泉さんが道理ある方向にすすもうというときには、協力するのは当たり前だ」といいました。

 私たちは、この問題を党利党略で扱ってはならないと思っています。日本の国民の利益、アジアと世界の平和という大きな見地にたって行動すべきだと思います。私たち日本共産党は、東アジアの平和、北東アジアの平和、日本と北朝鮮の関係が敵対から協調・友好に変わるために、今後とも力をつくすものであります。(拍手)

 みなさん、経済の問題、外交の問題を話しましたが、日本共産党は悪い政治に勇気をもって対決する政党です。

 同時に、経済と暮らしの問題でも、平和と外交の問題でも、国民の立場にたって道理のある解決策を堂々としめし、その実現のために行動する政党です。

 この党をのばしてこそ、二十一世紀の希望ある日本の未来が開けるのではないでしょうか。今度の選挙で、この千葉から日本の政治を変えるすばらしい結果をだしていこうではありませんか。(大きな拍手)