2002年7月18日(木)「しんぶん赤旗」

経済への打撃

首相、考えも答えもなし

党首討論 志位委員長が感想


 日本共産党の志位和夫委員長は十七日午後、国会内で記者会見し、同日の党首討論の感想について、「医療、介護、年金、雇用という社会保障の四分野での負担増が経済におよぼす影響をきいたが、経済に対する打撃や影響がどうなるかの答弁は、いっさいできなかった。経済についての深刻な認識を何ももたずに、三兆数千億円の負担増を押し付けようとしているのは、非常に深刻な問題だ」と述べました。

 志位氏は、負担増政策の見直し・中止の立場を述べたうえで、「政府が負担増政策をかかげるなら、経済にどういう影響がでるのかを真剣に考え、もし経済がたいへんな事態になるなら、この点からも負担増を見直すという態度が必要ではないか」と提起。

 九七年の橋本内閣時の九兆円負担増の際、橋本龍太郎首相が志位氏との国会論戦で“経済に影響はないとはいえないが、自律的回復の力はあるから、何とか見通しはつく”と、まがりなりにも経済に即した答弁をしたことを紹介し、「今度はいっさい答えがない。考えてもいない。橋本内閣時と比べても政治の退廃と危険を感じる」と述べました。

 討論のなかで小泉首相が志位氏に対し、「増税するのか」と問題をすりかえた点について、「『増税』というならそっくり(その言葉を)小泉首相に返上したい」と強調。政府税調が所得税の控除――配偶者特別控除の廃止、特定扶養控除の見直しなど約一兆円の増税を打ち出し、外形標準課税で九割の中小企業は増税になることをあげ、「自分たちで大増税を用意しておいて、『増税をやるのか』というのは厚かましいかぎりだ」と批判しました。