2002年7月7日(日)「しんぶん赤旗」

不破議長、志位委員長の書簡に

パキスタン政府が公式の回答


 トキール・フセイン駐日パキスタン大使から六日、日本共産党の不破哲三議長と志位和夫委員長あてに手紙が届きました。これは、第四回中央委員会総会の決定にもとづき、インド・パキスタン両国間の紛争について不破氏と志位氏が連名でパキスタンのペルベズ・ムシャラフ大統領あてに送った書簡(六月七日付)への公式な「回答」であり、注目されます。

 フセイン大使は手紙の冒頭で、「六月七日付書簡に心からお礼申し上げます。書簡は、上級のあて先まで送られました。私は、あなたがたの書簡に回答するとともに、大統領からあなたがたへのあいさつを伝えるよう求められています」とのべ、この手紙が大統領の指示にもとづくパキスタン政府の公式の返事であることを示しています。

 そのうえで手紙は、「私たちは、南アジアの平和と安定にたいするあなたがたのお気持ち、インドとパキスタンの間の緊張にかんする懸念について、非常に感謝いたします。私たちはそういった感情を共有します」と強調し、続けて、インドとの紛争にかんするパキスタン政府の立場に言及。

 そのなかで、「ムシャラフ大統領は、パキスタンは戦争を開始はしないが、自衛はするつもりだと断言」していること、両国の兵力がいまなお国境地帯に配備されているので「戦争の危険」はまだ弱まっていないことを指摘し、「インドが自軍を平和時の位置にまで撤退させ、パキスタンとの対話を開始したときにのみ、永続的な平和をもたらすことができる」とのべています。また、歴史を振り返りながら、カシミール問題とテロリズムにかんするパキスタンの見解を説明しています。

 手紙の後半部分で大使は、「私たちは、核問題にかんする日本国民の心情を理解し、評価します。核兵器の唯一の犠牲者として、日本は核兵器について語る権利を持っています。私たちにとって、核による交戦は考えられません」と強調。パキスタンが「南アジア非核地帯を提案し、インドとの核不使用協定を呼びかけてきた」ことなどをのべています。