2002年5月25日(土)「しんぶん赤旗」

海外での武力行使法、国民強制動員法
有事三法案、たたかいを一気にひろげ廃案へ

「STOP!有事法制5・24大集会」での志位委員長のあいさつ

〈大要〉


 「STOP! 有事法制5・24大集会」での日本共産党の志位和夫委員長のあいさつ大要は次の通り。


 みなさん、こんばんは。私は日本共産党を代表して、熱い連帯のあいさつを申し上げるものであります。(拍手)

国会緊迫−−いまががんばりどころ、攻めどころ

 国会はいま、たいへん緊迫したヤマ場をむかえています。

 与党は二十一日に法案の採決の前提となる公聴会の設定を、与党単独で強行するという暴挙をおこないました。

 これにたいして昨日、野党四党は党首会談をひらき、こんな重大法案を、まともな審議もせずに与党単独で強行することは、「議会制民主主義を踏みにじるものであり、断じて許せない」「与党の暴挙に断固対決していく」ということを、確認いたしました(拍手)。このもとで、与党もいったん決めた地方公聴会を中止せざるをえなくなりました。(拍手)

 みなさん、たたかいは、いまが重要ながんばりどころ、攻めどころです。国民の世論と運動を一気にひろげ、政府・与党を包囲し、有事三法案を必ず廃案においこもうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

武力行使に公然と道ひらき、アメリカの介入戦争に自衛隊が参戦

 わずかな国会審議でも、有事法案の恐るべき内容はうきぼりになっています。

 第一に、この法案は、海外での自衛隊の武力行使に戦後はじめて公然と道をひらくものです。

 「武力攻撃事態法案」では、「我が国への武力攻撃」が「発生」した場合、その「おそれ」のある場合、「予測」される場合に、自衛隊が武力行使などをできるしくみとなっています。

 しかし、みなさん、ここでいう「我が国」とは、日本の領土だけを指しているのではありません。政府の答弁では、日本からはるか離れた海外で活動している自衛隊の艦船なども「我が国」になる、というのです。

 いま「テロ特措法」にもとづいて、米軍を応援するために自衛隊がインド洋に派兵されています。「周辺事態法」は、日本が攻撃されていなくても、アジアのどこかで米軍が戦争をはじめたら、その戦争の応援に自衛隊が出動できるしくみとなっています。

 これらの法律にもとづいて、米軍支援のためにインド洋であれ、アジアのどこであれ、海外に出動した自衛隊も「我が国」となる。これが危なくなったら「武力攻撃事態法」が動きだし、相手側から攻撃されれば武力での応戦もできるようになる――これが今度の有事三法案の正体なのです。

 いまアメリカのブッシュ大統領は、一部の国々を「悪の枢軸」ときめつけて、「先制攻撃も辞さない」と公言しています。こうした米軍の介入戦争に自衛隊が参戦する――こんな憲法破り、国際法破りを絶対に許すわけにはいかないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

国民の自由と権利を踏みにじって、米軍の戦争に動員する

 第二に、有事三法案は、日本国民を米軍の戦争に強制動員するために、自由と権利をふみつけにする戦時体制をつくるものです。

 とりわけ重大なのは、物資の保管命令などに従わない国民は、懲役など犯罪者とされるということです。私は国会で、「『戦争に協力できない』という信条にもとづいて、この命令を拒否した国民も処罰するのか」とただしましたが、政府の答弁は良心的な拒否であっても処罰するというものでした。これは「戦争に協力できない」という思想・信条を処罰する、もっとも野蛮で乱暴な憲法違反そのものではないでしょうか。(拍手)

 有事三法案の、「国を守る」という看板は真っ赤なうそ偽りです。これは海外での武力行使法であり、国民の強制動員法です。この大集会を契機に、全国津々浦々で廃案をめざす国民のたたかいを、一気にひろげようではありませんか。ともにがんばりましょう。(歓声と大きな拍手)