2002年5月24日(金)「しんぶん赤旗」
すばらしい勝利をかちとって一年たったわけでありますが、今日の追悼会に出席させていただいて、あの勝利をかちとるまでに二万四千人近くの方が命を落とされた、無念の死を余儀なくされた、そして、この世に生まれるまえに命を絶たれた多くの小さな命もあったという事実をあらためてかみしめますと、胸がいっぱいになる思いにかられました。
しかし、たいへんな苦難をへて、各地の療養所で本当に長い長いたたかいを、患者、元患者のみなさんが数十年にわたってくりひろげていった、勇気あるたたかいですばらしい勝利をかちとった。この結果へと結びついたわけですから、やはり道理に立つものは必ず勝利をかちとるということを教えてくれたのが、この訴訟だと思います。
これをになわれたみなさんに心より敬意を申しあげたいと思います。(拍手)
勝利のあと、私どもにもたいへんうれしいニュースがたくさん伝わってまいりました。長年の夢だった故郷に里帰りができたと、ご両親の墓まいりもできたと、こういうニュースも伝わってきます。
それから、シナリオライターになったり、大学の講師になったり、新しい仕事に就かれたというニュースも伝わってきました。
新しい前進の一歩がいろいろなところで開始されていると、たいへんうれしく思ってそれに接してまいりました。
しかし、さきほど谺(こだま)雄二さんもおっしゃられたように、“たたかいはこれから”という問題が残されております。
この間、私ども党国会議員団として全国各地の療養所にうかがいましたが、問題がたくさんあります。
まず、入所されている方は、高齢になったこともあり、お医者さん、看護師さん、それから介護の問題、これらの手当てをしっかりできる体制をつくることがそれぞれの療養所で必要であります。
二つめに社会復帰を目指されている方がたにとっては住宅の問題、所得の問題、医療の問題、そして自治体の受け入れがしっかり進むように、これも国の責任で推進する必要があると思います。(拍手)
そして、もう一点を申しますと、真相を究明する。さきほど再発防止のための真相の「検証会議」はまだ開かれていないというお話がありました。二度と再びこういうことを繰り返さないように、どこに責任があったのか、何が行われたのか、事実の究明がどうしても必要だと私は思います。
栗生楽泉園では重監房と呼ばれた懲罰房に等しい房があって、その中でたくさんの方が非業の死を遂げたということをうかがいました。それをメモリアルとして再現するという計画が、いま始まっているということもうかがいました。真相の究明と、そして二度とこういうことを起こさないために、それを長く後世に残すためのこういう事業も意義ぶかいのではないか。
私どももみなさん方とともに、引き続き力を尽くす決意を述べまして、ごあいさつといたします。(拍手)