2002年5月8日(水)「しんぶん赤旗」

有事法案阻まねば

志位質問に反響

武力行使し自由も奪う…“冗談じゃない”


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衆議院の有事法制特別委員会で志位委員長の質問を傍聴する人たち=7日

 日本共産党の志位和夫委員長が総括質問に立った七日の衆院有事法制特別委員会。まともに答弁に立てない小泉内閣の閣僚。アメリカが引き起こす介入戦争に自衛隊が武力行使で参戦する憲法違反・国際法違反の有事法制三法案の実態がさらけだされました。各地の声を聞きました。

「非核神戸」から

 「この法案は、神戸港に核兵器を持ちこませず、港湾を戦争に利用させないと二十七年間、非核神戸方式を守ってきた神戸市民の平和への思いを、真っ向から踏みにじるものだ」。原水爆禁止兵庫県協議会の梶本修史事務局長(54)が怒ります。

 梶本さんが「印象に残った」のは二点。「今回の法案で自衛隊が自由に武力行使できるしくみができること、その目的が米軍の手助けにあることが、条文にそくして明らかになったこと」だといいます。

 「法案に武力行使を制限する規定がない! 自衛隊法にさえある国際法規順守の規定すら削り落としているとの志位さんの指摘は新鮮だった。アメリカいいなりの小泉首相の姿勢に改めて怒りがわきました」

 法案が国民の自由と権利を無制限に規制することを追及した志位さんの最後のやりとりに、熱くなったといいます。「国民の関心は一カ月前より格段に強まっています。法案の危険な内容をもっと知らせたい」

おコメ屋さん怒る

 「戦争協力を国民に強制し、反対や沈黙も許さない。内心の自由にまで踏み込んでくる、とんでもない法案だ。保管命令に反して米を売ったら犯罪者にされる。冗談じゃない。戦中、空襲の焼け野原で食糧難を経験しただけに危機感を感じる」というのは、東京都の米屋、男性(71)=東京商工団体連合会会長=。

 志位さんの追及に閣僚はしどろもどろ。「『国際法を守る』とか『先制攻撃はしない』とか法案に合わないことをいってごまかそうとしているが、政府の言い分であれば法案は必要なくなる。都合の悪いことはいわず、決まったらあとは何でもやろうというこんたんだ」といいます。

 「民主商工会でも各支部で反対決議を上げていくなどとりくみ始めているが、法案成立阻止のために急がなければ」

捕虜体験者の思い

 海軍士官として従軍し香港で終戦、捕虜の体験を持つ「戦没船を記録する会」の川島裕会長(80)=東京都東久留米市=は「罰則とともに強制動員されるなら、戦前の『国家総動員法』にほかならない」と憤ります。

 戦時中日本軍は、商船を船員ごと徴用し、軍事物資を戦地に運ばせた結果、多くの商船が沈没し船員の命が奪われました。条文にそくし具体的に追及する志位委員長の質問に「戦争の恐ろしさ、どうにもならない絶望と悲しさを体験したものとして、戦争だけは金輪際ごめんだ」と語ります。

 「昨年のアメリカのテロ事件以降、政府はテロに悪乗りしている。戦前も、最初は『非常時』といって『戦時』にエスカレートしていった」と警告しています。