2002年4月19日(金)「しんぶん赤旗」

疑惑解明こそ最優先
「戦争国家法案」強行の動き批判

志位委員長が会見


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記者会見する志位委員長=18日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は十八日、国会内で定例の記者会見をおこない、後半国会にのぞむ基本的立場を述べました。このなかで、「戦争国家法案」(武力攻撃事態法案など有事三法)を二十六日にも審議入りさせ、今国会で一気に強行・成立させようとしている政府・与党の動きを批判。同法案について憲法と絶対に相いれない違憲立法であり、断固阻止する立場を強調するとともに、「この間の国会審議の経過にてらしても、『戦争国家法案』を二十六日に審議入り、強行・成立させるなどというのは言語道断のやり方だ」と厳しく批判しました。

 志位氏はその理由について、(1)鈴木・加藤疑惑(2)機密費疑惑という二つの重大疑惑で「真相と責任を糾明する大きな仕事がまだ途上であり、残されている」と指摘しました。

 鈴木・加藤疑惑は、国民の税金を食い物にした利権疑惑だけでなく、とくに鈴木疑惑は日ロ領土交渉をロシアに迎合する方向でゆがめたという国益を損なう疑惑であり、日本外交の信頼性を根本から損なうような深刻な疑惑です。

 機密費疑惑について志位氏は、「『国家機密』の名にかくれて党略的・私的に血税を流用していたという疑惑で、その疑惑の当事者は首相官邸自身だ。疑惑を解明し、明らかにする義務を負っているのは首相自身だ」と強調。この点で十八日に四野党が共同で、小泉純一郎首相と福田康夫官房長官に機密費の実態を明らかにし、政府自らの手や委員会の質疑で真相解明が十分にすすむまでは機密費の執行停止を行うよう申し入れたことは、「たいへん重要な大きな意義をもつ」と指摘しました。

 小泉首相と政府が疑惑究明に背を向ける態度をとりつづけていることについては、「一方は外交の信頼を損なう疑惑、もう一方は首相官邸の重大疑惑があるもとで、首相に戦争遂行の独裁的な権限を与えるような『戦争国家法案』を強行することは、この点からも、許されるものではない。こういう法案を国会に提出し、審議を求める資格そのものが首相、政府にはない」と強調。いま国会が最優先してやるべきことは、「二つの重大疑惑」の徹底糾明と、不況にあえぐ国民生活を守るための緊急措置をどのようにとるかの真剣な審議だと述べました。