2002年4月4日(木)「しんぶん赤旗」

疑惑にフタする外務省処分

志位委員長が会見で批判


 日本共産党の志位和夫委員長は三日午後、国会内での定例記者会見し、鈴木宗男衆院議員による一連の疑惑で川口順子外相が発表した東郷和彦オランダ大使(当時欧州局長)らの処分について、「東郷氏を処分する理由がきわめてあいまいで、疑惑にフタをするものになっている点が重大だ」と批判しました。

 川口外相は処分理由のなかで、「対ロ外交の政策決定のラインに混乱をもたらした」などと説明していますが、志位氏は「『政策決定のラインの混乱』というのは二元外交ではないか、という質問にも言葉をにごし、ごまかしている」と指摘。

 東郷氏は、昨年三月五日に行われた鈴木氏とロシア外務次官との秘密会談に出席して裏取り引きをやり、「二島先行返還」論のメッセージをロシア側に伝達していた重大な疑惑がかけられていると述べ、「東郷氏の首をきってしまえば、事実関係をごまかせるだろうというのは悪質な疑惑隠しだといわざるをえない」と厳しく批判しました。

 そのうえで志位氏は、「東郷氏はまだ外務省に在籍しており、ただちに昨年三月五日の秘密交渉の実態について聞き取り調査をやり、国民の前に明らかにすべきだ」と主張。この問題で引き続き追及していく考えを示しました。