2002年3月21日(木)「しんぶん赤旗」

“2島返還で最終決着”路線に日本外交を引き込んだ

鈴木・ロシア秘密会談

テレビ特集で志位委員長指摘


 日本共産党の志位和夫委員長が十九日の記者会見で明らかにした自民党・鈴木宗男衆院議員とロシュコフ・ロシア外務次官との秘密会談記録について、二十日のテレビ番組も相次いでとりあげました。

 このうち、テレビ朝日系「ワイド!スクランブル」には志位委員長が出演しました。志位氏は会談記録に示された問題点を解明。そのなかで一昨年十一月三十日にロシア側が一九五六年の日ソ共同宣言について、“歯舞・色丹を日本に返したら、それで最終決着だ”という解釈を伝達し、その後十二月に鈴木氏が訪ロして裏交渉を始めている問題をあげました。

 そのうえで昨年三月五日の秘密会談は「(領土交渉をめぐる)日本の外交を、二島返還で終わりにするというプーチン(ロシア大統領)路線に引っ張り込んでゆがめるという方向にはたらいた」と指摘。その直後の首脳会談の「イルクーツク宣言」に「日ソ共同宣言の有効性」が書き込まれたことは、ロシア側にとって領土交渉が二島で終わりだという解釈の根拠をあたえる重大な問題だとのべました。

 日本テレビ系「ザ・ワイド」も志位氏の記者会見を交えて会談記録について報道。そのなかで元外務省欧亜局長の兵藤長雄・東京経済大学教授は、この会談が「私的な会談ではない」とし、「この詳細な記録を見る限り、政府の方針と違う発言がポンポン出てくる。これは『二元外交』と言わざるをえない。こんな会談がおこなわれたら国益を害することはなはだしい」とコメントしました。