2001年10月3日(水)「しんぶん赤旗」

テロ根絶問題

報復戦争では罪なき市民が犠牲に

自衛隊の参戦法 きっぱり中止せよ

衆院本会議 志位委員長が代表質問


 「報復戦争をひきおこせば、罪のない多数の市民が新たな犠牲になる」――。日本共産党の志位和夫委員長は二日、衆院本会議で代表質問に立ち、テロ根絶に向け、日本政府は報復戦争への参加でなく、“法にもとづく裁き”で解決をはかるイニシアチブの発揮を、と主張しました。小泉純一郎首相は米軍が行おうとしている報復戦争の危険性も国際法上の根拠も示せず、ひたすら米国に付き従う姿勢に固執しました。

法にもとづく裁き−−3つの提案

▼容疑者の特定
 だれがテロ犯罪の容疑者、支援者であるかを事実と証拠によって可能なかぎり特定する。

▼身柄の確保・引き渡し
 容疑者を“法による裁き”の支配下におくために、国連を中心に国際社会が協力してあらゆる努力をする。

▼厳正な裁判
 容疑者が逮捕されれば、厳正な裁判で真相の究明と、処罰をはかる。国連のもとに特別の国際法廷の設置も検討。

 志位氏は、テロ根絶に「どのような手段が法と道理にかなっているか、また真に有効であるかという問題」がいま世界に問われていると強調しました。

 アフガニスタンでは国境閉鎖で国際機関の食糧援助がとだえ、飢餓が深刻化し、国連機関の共同声明では五百万人以上の民間人、とくに女性と子どもが「生存の危機」にあると警告しています。志位氏はこのことを指摘し、「軍事攻撃が実行されれば、おびただしい新たな犠牲者が出るのは必至」として、首相に対して「テロ根絶のためには罪なき市民の新たな犠牲者がでても、やむをえないと考えているのか」と、報復戦争がもたらす危険の認識をただしました。小泉首相は、「テロに対するたたかいは武力行使だけではない」などと述べるだけで、志位氏の質問にまともに答えられませんでした。

 志位氏はテロ問題の解決で必要なことは、「国連が中心となり、国連憲章と国際法にもとづいてテロリストとその支援者を追い詰め、“法にもとづく裁き”をくだすことだ」と述べ、三つの解決策(別項)を提案。小泉首相は「日米間で緊密に連絡をとる」などというだけで明確な対応を示せませんでした。

 さらに志位氏は、政府・与党がしゃにむに通そうとしている米報復戦争参加の新法について「国際法に根拠のない報復戦争への参戦を目的とする点でも、憲法九条をずたずたに引き裂くという点でも二重に許されない」と厳しく批判し、中止せよと迫りました。小泉首相は国際法上も憲法でもその根拠を示せませんでした。




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