2001年9月29日(土)「しんぶん赤旗」

テロも戦争も許さない 報復戦争法に反対

国民の底力で歴史的たたかいを

緊急中央集会に4千人

東京・日比谷野外音楽堂


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テロ糾弾、報復戦争反対、自衛隊派兵法許すな9・28緊急中央集会に参加した人たち=28日、東京・日比谷野外音楽堂

 「チラシを見てきました。絶対、戦争はいやだから」「いてもたってもいられなくて。憲法を持つ国が派兵していいのか」――同時多発テロにたいする報復戦 争が差し迫るなか、テロ糾弾、報復戦争反対、自衛隊派兵法許すな、法の裁きでテロ根絶をかかげた緊急の中央集会が二十八日、東京・日比谷野外音楽堂で 開かれました。全労連、国民大運動実行委員会、安保破棄中央実行委員会、憲法会議がよびかけた緊急集会は、開場前から続々とつめかけた四千人の参加 者であふれました。


 犠牲者への黙とうに続いて、主催者あいさつした小林洋二・全労連議長は、「戦後つちかってきた平和を守る国民の底力で、テロも戦争も許さない歴 史的たたかいを」と呼びかけました。

 情勢報告をかねて日本共産党の志位和夫委員長があいさつ(別項)しました。

 会場には、手作りのプラカードや「戦争はいや」との中学生たちの寄せ書きがかかげられました。航空安全会議のパイロット、宗教者、アメリカの労組代表 のあいさつ、高校生らの決意表明に、大きな拍手や「そうだ」の声でこたえました。集会後、国会までデモ行進。「新たな犠牲を生み、テロ根絶に逆行する報復 戦争をおこなうな」、「憲法じゅうりんの自衛隊派兵を許すな」の声が響きわたりました。

 「しんぶん赤旗」で集会のことを知り、一人でも来ようと思ったという埼玉県さいたま市の男性(54)は、「イスラム教徒たちもテロはだめと多くの人 が思っているのに、アメリカが武力報復をやれば、その意思を無にしてしまう。その戦争に自衛隊を派兵しようという小泉内閣は許せない」と語っていました。


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情勢報告をかねてあいさつする志位和夫委員長

志位委員長があいさつ

 大きな拍手に迎えられた志位委員長は、テロ根絶では日本と世界の国民の意思は一つだと強調したうえで、アメリカの報復戦争が実行に移されれば、二 つの大問題が起こると指摘。

 第一に、罪なき多くの市民の犠牲者が出る危険があると述べ、アフガンは現在でも国全体が飢餓が深刻であり、報復戦争の準備がすすめられるなかで 国際機関が撤収し、国境が閉鎖されたもとで、国連機関の共同声明では五百万人以上の民間人、とくに女性と子どもが生存の危機にあると警告していることを 紹介。「ここに報復攻撃が加えられれば、おびただしい新たな犠牲が出ることは火を見るより明らかだ」と指摘しました。

 第二に志位氏は、こうした手段では、報復が報復を生み、テロの根を断つことはできないと述べ、「無法者には法の秩序による対処こそ、もっともきびしい 対処だ」と強調しました。

 そして、「法にもとづく裁き」を国連中心に行うことこそ、テロを根絶する道だとして、日本共産党の見解をくわしく語り、国際社会が事実と証拠で容疑者の 特定を行うこと、そのうえで容疑者の身柄の確保、そして裁判という人類の英知で真相究明をすることだと述べました。

 最後に志位氏は、日本政府の対応について、軍事報復か法の裁きかが問われているのに、その選択を主体的にやらないまま、自衛隊を派兵して米軍の 報復戦争に参加させる新規立法をしゃにむに通そうとしていることを批判。

 新法について「自衛隊が他の国の領土にまで入って米軍といっしょに戦争をするものであり、『武力行使でない』『憲法違反ではない』というごまかしは通 用しない」と述べ、第一に、国際法に根拠のない米軍の報復戦争への参戦法であること、第二に、武力行使を禁止した憲法に違反する立法であることを指摘。「 憲法違反の報復戦争法案は絶対に許さないとの声を広げ、国民の力で阻止しよう」と呼びかけました。




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