2001年7月12日(木)「しんぶん赤旗」

7党首討論会で志位委員長

自民党政治変える「日本改革」の道示す

小泉流「改革」に正面から対決


 参院選公示を翌日に控えた十一日、日本記者クラブ主催の「七党党首討論会」が開かれました。日本共産党の志位和夫委員長は自民党政治を改革する「日本改革」の方向を明確に示し、小泉「改革」に正面から対決する姿をうきぼりにしました。これに対し与党の公明、保守の両党首が小泉首相の「改革」推進を表明しただけでなく、民主党など他の野党も、「構造改革の先送りは許されない」などと主張しました。

国民の家計を直接応援し景気回復

公共事業からムダ一掃し財政再建

憲法9条を生かす自主自立の外交

 志位氏は、自民党政治の改革、転換として第一に「景気対策」をあげ、九〇年代に自民党政治が消費不況をひどくしたと述べ、国民の家計応援で景気回復をはかりたいと主張しました。

 第二に、財政再建については公共事業から巨大開発のムダづかいを一掃し、くらし、福祉に重点化し、総額を段階的に半減。それによって、社会保障と減税の財源をつくり借金を減らす道をひらくことを提案しました。

 第三に憲法と外交の問題で、日米安保条約をなくすことが目標だが、それ以前にも自主・自立の外交に切りかえ、憲法九条を守り生かした日本をめざしたいと述べました。

 討論のなかで志位氏が、不良債権最終処理でどのくらいの倒産を見こんでいるのかと追及したのに対し、小泉首相はまともにこたえず、「倒産は出てくるが、(倒産の)目標を立てろというのは後ろ向き」「五百万の雇用創出に全力をつくす」というだけでした。志位氏は、「逆にそれだけの雇用を生み出さなければならないほどの大量の倒産を予定しているのかと驚きをもって聞いた」と述べ、見通しも持たずに「痛み」だけを国民に押しつけようとする小泉首相の無責任な姿勢を批判。「実体経済を良くし、中小企業の経営がたちゆくようにするのが政治の責任だ」と主張しました。

 また志位氏は、財政再建に関連して今後五年間で二十五兆円の「新中期防衛力整備計画」について「聖域なく見直すのか」と追及。小泉首相は「すべて見直す」と答える一方で「減らすべきは減らして、増やすべきは増やす」とのべるなどごまかしに終始しました。

 アメリカも合意してまとめた地球温暖化防止の京都議定書問題で、志位氏は、「アメリカがこれを反古(ほご)にするのは国際信義にもとるものだ」と小泉首相の認識をただしましたが、小泉首相は「アメリカにたいし糾弾すべき段階ではない」というだけで、まともに答えられませんでした。

 志位氏は「議定書に戻れと説得する立場のないところで、ずるずると日米の協議をつづけるのは、京都議定書壊しの日米同盟をつくったといわれてもしかたがない」と批判。「議定書の発効の決定権は日本にあり、米抜きでも批准すべきだ」ときっぱりのべました。

 第二部では、小泉人気をどうみる、日米地位協定、東アジアの安全保障、環境税の問題など、さまざまな質問に答え、日本共産党の見解を縦横に語りました。


志位氏

雇用問題で3つの提案

 志位委員長は、景気と雇用問題について発言したなかで、「現状は経済の六割を占める個人消費、家計消費が落ち込んでいることが最大の問題だ」と述べ、雇用問題へのとりくみとして三つの提案を行いました。

 第一は、サービス残業を産業界から一掃するという問題です。財界系シンクタンクの試算では、サービス残業をなくせば九十万人の雇用が増えます。

 第二は、残業の法的規制を行い、上限を定めることです。

 第三は、若者の就職難に対し、ヨーロッパのように、国として特別の支援の制度をつくることです。




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