2001年4月 4日(水)「しんぶん赤旗」

京都議定書にたいするブッシュ政権の不支持表明について

日本共産党 志位委員長が談話


 日本共産党の志位和夫委員長は三日、京都議定書にたいするブッシュ政権の不支持表明について、次の談話を発表しました。


 一、ブッシュ政権が三月二十八日、「京都議定書を支持しない」(フライシャー大統領報道官)と表明したことは、地球温暖化の抑制と対策を求める国々や地球環境の保全を求める世界の人々・団体に驚きを与えた。そもそも、九七年の京都議定書は、アメリカの強い要求によって、排出権売買や、排出抑制のための技術移転などを行うことで自国の削減目標を圧縮できる仕組みなどが盛り込まれ、削減目標を実質的に後退させるものとしてきびしい批判が寄せられたものである。アメリカ自身が要求し後退させたものですら、やらないというのでは、国際政治における信義と責任を放棄するものといわざるをえない。

 京都議定書が発効するためには、批准国のなかで温暖化防止条約上、とくに取り組みを求められている諸国の温暖化ガスの排出量合計が、その諸国全体の排出量の五五%以上に達することが条件とされている。アメリカは一国だけでその三六%をしめるという群を抜く大口排出国であるだけに、その責任は特別に大きい。

 不支持の表明は、これまで積み上げられてきた温暖化防止の努力に、文字通り冷水を浴びせるものである。EUなどから「京都議定書の破棄を認める考えはない」(欧州委員会環境担当委員)と非難の声があがるのも当然である。

 一、日本政府は、京都議定書をとりまとめた気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)の開催国・議長国として、アメリカにたいし、毅然(きぜん)とした態度で議定書の批准を求めるべきである。日本政府自身が早期に議定書を批准することは当然である。

 日本共産党は、温暖化問題で胸を痛めている世界と日本の人々とともに、地球温暖化防止にむけて国際的で具体的なスタートを一日も早く切るため、京都議定書発効への展望を切り開くよう力をつくす決意である。




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