2001年2月15日(木)「しんぶん赤旗」
「こんな悲しいニュースを聞いて、首相はゴルフを楽しんでいられるのか腹立たしく思った」「情けなくて涙がとまりません」――。日本共産党の志位和夫委員長は十四日、今国会初めての党首討論で、米原潜が宇和島水産高校実習船を沈没させた事故について、同校に寄せられた声を紹介しながら、森喜朗首相の姿勢をただしました。与党側はヤジも少なく、委員会室はいつになく静まりかえりました。
志位氏は、森首相が報告を受けながら、ゴルフを二時間近くも続けた問題を追及。首相への第一報では安否が確認されていない人がいることがわかっており、「最高責任者として救援と対策に乗り出すのは当然だ。ゴルフをつづけるという態度は首相にあるまじき態度だ。一片の反省もないのか」と迫りました。
森首相は「場所が良くなかったとすれば反省をしなければならない」とのべるだけ。志位氏は「ゴルフの片手間にやる仕事ではない」と厳しく批判しました。
志位氏は、米原潜が救援活動をしなかったことへの批判が現地でもわきおこっていることを紹介。米政府でさえ「調査中であり、結論を待ちたい」としているなかで、日本政府側の対応を問題にしました。
現地では、政府が派遣した桜田義孝外務政務官がブレア太平洋軍司令官と会見し、「救助活動は適切。落ち度はなかった」と米軍いいなりの態度です。志位氏は「こうした態度で、どうして真相究明、責任追及ができるか」とただしました。しかし、首相は「(米原潜が)事故発生直後から捜索救助活動にあたっている」とのべ、米太平洋軍の説明を繰り返すだけでした。
志位氏は「あなたの答弁は米軍の説明のおうむ返しだ。およそ、一国の総理として国民の命を預かる資格はない」と強調しました。