2001年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
「KSD汚職と機密費問題は、庶民の金、血税を食い物にしたという点で、自民党政治の末期的な腐敗を象徴する事件だ」――日本共産党の志位和夫委員長は九日の衆院予算委員会で、新資料や関係者の証言など数々の動かぬ証拠をつきつけ、森喜朗首相を追及しました。
KSDから、自民党に流れこんだ政界工作資金の原資はなにか――。志位氏がとりあげたKSD豊明会の収支決算(九五年度)の実態に場内はざわめきます。「豊明会の収入は、雑収入、会員負担金、補助金の三つだけ。自民党への政治献金の原資はKSDからの補助金しかありえない」との追及に、坂口力厚生労働相も「(政治献金は豊明会の自前収入から出したという)これまでの報告には無理がある」とのべざるを得ませんでした。
ところが森首相は、「捜査の結果を待ちたい」の一点張り。
党費立て替え問題でも、森首相は「党費の集め方にはいろいろある」などと居直りに終始。志位氏は、「まともな調査もしない。本当にあるまじき態度だ」と批判しました。
機密費について、志位氏は、八九年に内閣官房で作成された文書を暴露し、委員会に衝撃を与えました。文書は、「内閣」の用せんに書かれた「報償費について」と題するものです。
官房長官が扱う機密費が「内閣官房と外務省に計上」され、「形式的には外務省計上分を内閣官房に計上する形をとっている」と明記しています。志位氏は、「上納がおこなわれている動かぬ証拠だ」と迫りました。
また、同文書には八九年に「新税制の円滑な実施」のため五億円が増額されたことなどが明記されています。志位氏は、消費税導入とリクルート疑惑で国会が空転していた当時の政治状況も明らかにし、「消費税の生みの親は機密費ということになる」ときびしく批判しました。福田康夫官房長官は「必要があれば調べる」とのべ、否定できませんでした。
志位氏は、機密費の根本的見直し、その第一歩として来年度予算案からの減額措置を要求しました。