2000年12月12日(火)「しんぶん赤旗」

自民党政治に代わる政治の中身こそが問われる

参院選の意義と争点を解明

志位委員長が記者会見


 日本共産党の志位和夫委員長は十一日、遊説に訪れた北九州市内で記者会見し、二十一世紀最初の大型政治戦となる北九州市議選の意義や、来夏の参院選に向けたとりくみなどについての見解を表明しました。

 志位氏は、参院選に向けたとりくみについて「自公保政権へのきびしい審判は当然」としたうえで、「最大の焦点は、自民党政治に代わってどういう新しい政治を起こすのか、政治をどう変えるかだ。政治の中身こそが問われる」と強調。「中身ぬきの政権交代では、国民の期待にこたえる結果が出ないことは、かつての『非自民』政権で体験ずみだ」とのべました。

 志位氏はそのうえで、参院選の争点として(1)くらし―社会保障連続改悪と消費税増税を許すのかどうか(2)平和と憲法―安保体制の是非とともに憲法九条を守るのか、壊すのか(3)教育、農業、エネルギー、環境など二十一世紀の国民の生存と生活の土台にかかわる問題――の三点をあげました。

 このうち、憲法九条をめぐる問題では、いま「三つの流れ」が明りょうになっていると指摘。第一の流れは、九条を公然と改変する明文改憲の流れであり、自民党だけでなく野党の一部にも集団的自衛権に言及する動きがあります。

 二つめには、自衛隊を合憲だとする解釈改憲の立場に立ちながらも、明文改憲には反対する流れ。

 三つめが、明文改憲はもとより解釈改憲にも反対し、九条の完全実施をめざす流れです。

 志位氏は「この問題で、各党がどの立場に立つかが鋭く問われる。われわれは、二つめの立場とは九条の改悪に反対するという一点での協力は可能だと考えるが、三つめの流れに立つ日本共産党が躍進することが、九条の値打ちを二十一世紀に生かす最大の保障になる」と強調しました。

 会見では、野党間での選挙協力について問われ、日本共産党の立場を説明。選挙協力をおこなうには、(1)双方に協力する意思があること(2)基本政策での合意(3)対等平等、ギブ・アンド・テークでやる―の三つの原則が必要だと指摘しました。

 他党からは「綱領と党名を変えたら」などという注文がでているが、「これは共産党が共産党でなくなることであり、無理な注文だ。協力の意思がないと受けとらざるを得ない」とのべ、選挙協力の条件は熟していないとの認識を示しました。そういう状況のもとで無理に選挙協力を結べば、与党からは「野合」と攻撃され、逆に野党のお互いの力を弱めることになるとのべました。




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