2000年11月1日(水)「しんぶん赤旗」

食品安全基準の課題、発生源対策を本格的に

志位書記局長があいさつ

環境ホルモン・ダイオキシン問題、議員連盟が総会開く


 超党派の議員でつくる「環境ホルモン・ダイオキシン問題にとりくむ議員連盟」の総会が十月三十一日、国会内で開かれました。昨年二月に設立され、加入者は二百三十二人にのぼっています。

 顧問の志位和夫(日本共産党)、鳩山由紀夫(民主党)、土井たか子(社民党)、中井洽(自由党)の各氏らが出席しました。

 総会では、日本共産党の志位書記局長があいさつ(大要別項↓)したほか、各党の顧問も「発生源の問題は深刻。その対策に全力をあげたい」(鳩山氏)、「ダイオキシンへの恐怖感が強い。安心して暮らせる社会めざして議連の発展を」(中井氏)と、議員連盟の活動に期待をのべました。

 この間、議員連盟として埼玉・所沢市議会との意見交換やダイオキシン対策の勉強会を重ねてきたことなどが報告されました。


 志位書記局長のあいさつ(大要)はつぎのとおりです。

 この間、ダイオキシンの問題では、全会一致でダイオキシン対策法がつくられました。この対策法で、大気、水、土壌の環境基準が決められたこと、焼却炉の排出基準が決められたことなどは、やはりこれは第一歩の成果だと思います。この議連のみなさん方の奮闘もあったと思いますし、国民の世論の後押しもあったと思います。しかし、これはあくまで第一歩であって、本格的な解決のためには、本腰を入れたとりくみがこれから大事になってきているところではないかと思います。

 私は二つだけ申し上げておきたいのですが、一つは、食品の安全基準をきちんと決めるという問題が大事になってきているということです。ダイオキシンという問題になりますと、母乳の汚染ということがたいへん心配になるわけですが、これが日本の場合、基準の二十七倍という数字も出ています。

 母乳の汚染というのは、魚、野菜、肉などの食品の汚染からくるわけで、生物濃縮という問題もありますから、食品の安全基準をきちんときめる、そして、調査をおこない、情報公開をはかる。これが一つの大きな課題になっているのではないかというのが、私たちの考えです。

 もう一点は、発生源対策です。この間、私たちも国会でこの問題をとりあげてきたなかで、ダイオキシンの発生の原因が塩化ビニールの焼却にあるということについては、政府も「強い関係にあることは事実だ」という答弁をしました。この問題は世論と運動によって、変化も起こっています。JR東日本で切符に塩ビを使わないという措置をとった。農業用のビニールシートなどを回収して、再生利用するという動きもすすんでいます。

 こういう状況も生まれてきていますけれども、政治の責任で、一番の原因だと思われる塩化ビニールの焼却を規制する、せめて表示を義務づける。表示をすれば分別回収ができるわけで、無害処理あるいはリサイクルに道が開かれるわけです。この塩化ビニール対策というものにもしっかりとりくんでいく必要があるのではないか。このように思います。

 私たち、これを党派をこえた課題として、力をあわせてとりくんでいきたいと申し上げてあいさつといたします。




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