2004年12月12日(日)「しんぶん赤旗」

北朝鮮問題“理性の声聞いた”

横浜駅西口 志位委員長国会報告に共感の声

「国民に一番近い党ですね」

イラク派兵延長、米軍基地問題でも


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国会報告をする志位和夫委員長と(左へ)大森前衆院議員、はたの前参院議員=10日、横浜駅西口

 日本共産党の志位和夫委員長は十日夕、横浜市の横浜駅西口で国会報告の街頭演説を行い、三日に閉会した臨時国会での論戦や九日の党首会談の模様を紹介しながら、北朝鮮問題や自衛隊のイラク派兵問題など日本の進路にかかわる重要な課題での日本共産党の考えと活動について訴えました。腕組みして耳を傾ける会社員や買い物袋を両手に抱えた女性ら約二千人が聞き入り、「国民に一番近い政党だと思いました」(買い物途中の三十三歳の女性)など共感の声が寄せられました。

 志位氏は、北朝鮮が拉致被害者の横田めぐみさんの「遺骨」として提出した骨が別人だった問題で、「北朝鮮の態度はきわめて重大かつ無責任だ」と厳しい口調で抗議。

 党首会談で小泉首相に(1)北朝鮮側の交渉当事者を問題解決に責任を負うことができ、権限を持った人物とすること(2)日本側の真相究明活動に対し北朝鮮側が十分な保障を与えること―を提案し、翌日の国会で細田官房長官が「志位委員長からいただいた要望を真摯(しんし)に受け止めたい」と答弁したことを報告。「いま大切なことは“強い交渉”です。交渉を強化することです。そうしてこそ拉致問題の解決の道が開けます」と訴えると、聴衆から大きな拍手がわきました。

 政府が一年間のイラク派兵延長を決めた問題で、党首会談で派兵に固執する理由がことごとく崩れていることを事実で示して、首相を追及したことを紹介。「とりかえしのつかない事態になる前に、自衛隊はすみやかに撤退すべきだ」と訴え、聴衆からは「そうだ」の声が起こりました。

 志位氏は臨時国会で、新潟県中越大震災や台風・豪雨災害の被災者救援や大増税路線を許さないたたかいなどで奮闘し、その成果を報告。「国民の苦難と要求あるところに共産党あり」を合言葉に、引き続き奮闘する決意をのべました。

 最後に、米軍基地をなくす運動が全国で広がっていることに触れ、神奈川県でも横須賀への原子力空母の母港化、キャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部の移転などが計画されていると指摘。「アメリカが起こす無法な戦争の根拠地に神奈川がされるのは、ごめんです。基地のない神奈川と日本をつくるために力を合わせましょう」と力強く呼びかけました。

 大森猛前衆院議員と畑野君枝前参院議員も訴えました。大森氏は不当なリストラやサービス残業を許さず働く者の権利を守るために引き続き奮闘する決意を、畑野氏は三十人学級実現や米軍基地をなくすために全力をあげる決意をのべました。

志位さんの話は元気でる、共産党を大きく

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志位和夫委員長らの国会報告などを聞く人たち=10日、横浜駅西口

 街頭演説後、湯川基子さん(48)=横浜市南区=は「座間に米陸軍の軍団がきて強化されるという話はショックでした。基地のために税金が使われるのは許せません」と感想をのべ、岡沢ウサ子さん(66)=川崎市高津区=は「志位委員長の話を聞くと元気が出る。小泉(首相)はあまりにも、ブッシュのいいなりだ。共産党が伸びないとだめだね」と語りました。

 勤め帰りに聞いていた作業着姿の男性(61)=横浜市=は「イラクへの自衛隊派兵を延長してしまったことは許せないね。共産党は大きくなってほしい」と話しました。

 このほか、党県委員会などには、聴衆から「北朝鮮問題での二つの提案はよかった。『理性の声』を聞いた」「イラク問題では、通りがかりの人も『そうだ』と大きな声で共感していた」「テレビは、自民と民主のことしか伝えないので、共産党の頑張りを直接聞けてよかった」などの感想が寄せられています。